My life as a cat
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2011年05月13日(金) SEESAW GAME

仕事がたまりにたまっている。残業や休出することを暗に見込んでスケジュールが組まれているのだから、特別優秀ではないわたしが定時退社していては終わらないのは当然といってもいいだろう。基本は定時退社といってもそれでも週に5時間くらいはエクストラでやっている。それでも"期日までに完了していない"という事実が評価の全てだ。どんな無理な要求も首を縦に振ってしまう新米マネージャーと違って前マネージャーの時はよかった。上部から滅茶苦茶なスケジュールを強いられる時、わたし達の意見を聞き、出来る範囲のみ確約して、あとはとても無理だと突きかえした。彼は若くして奥さんを病気で亡くして以来ずっとひとり身だけれど、厳しい内容のミーティングの最後にはよくこう言った。

「世の中一番大事なのは家族ですよ。仕事は一番じゃないよ。」

"やらされている"という無責任な意識で働いているわけではない。わたしはそう精神が弱くないから、どんなに叩かれようと自分のペースを保ち、持続可能な働きかたを守っている。しかし、世の中はそんなに強い人ばかりじゃないということを上部は認めるべきだろう。言われるがまま(仕事が趣味という人はどんなに残業が続いても鬱病などにならないからそうでない人だ)がむしゃらに働いた結果鬱病にかかって社会復帰できていない人もいるのだ。

昼休み、ぐったりとへたりこむわたしにアメリカからエクスパットとして来ている同僚が笑いながらこんな言葉をかける。

「人生は遊ぶためにあって、それが暮らしの柱だよ。仕事は空いた時間にちゃっちゃと遊びでやるものだよ。」

アメリカの本部にはこんな残業民族はまず存在しないらしい。やっていることは同じなのにあちらでは定時間内にこなせている秘訣は臨機応変さと合理性があるからだろう。こちらではどんな大量な仕事が舞い込んでもやり方を変えることは考えずひたすら残業などをして終わらせようとする。しかし、アメリカではまず妥協点を見いだしてラインを引く。そして譲れない部分だけにしっかりフォーカスを当て、あとは切り捨てる。やっていくうちに問題にぶち当たればその都度やり方を変えていく。アメリカは大雑把だとは言える。しかし、アメリカがやらかすミスやアバウトなデータ管理などを差し引いても、従業員が充実した私生活を保ちつつも結果的に期限内に終わっているという功績は見習うべきものだ。この職場には依然残業する人=働き者と思い込んでいる人もいるようだが、そんなばかな話はない。定時間内に終わらせられるように努めている人こそ真の働き者だと認められるべきだ。

私生活が一番大事だといってもそれを支えるものの一つはお金なのだから、仕事がおざなりでは成り立たない。今いちばんわたしを悩ませているのは仕事と私生活のバランスだ。なんとかこの事態を乗り切ろうと試行錯誤を繰り返している。

( 写真:そして一番の心の薬はやっぱりクロエちゃん)


Michelina |MAIL