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2011年04月16日(土) |
Ya Kun Kaya Toast |
都内在住のシンガポーリアンの友人に案内されて訪れて以来密かに気に入って、たまに近くまで来るとふらりと一人で立ち寄っていた豊洲のららぽーとのヤクン・カヤ・トースト。パンダンの葉とココナッツミルクなどを煮たカヤジャムと冷たいバターを、薄く薄くスライスしたトーストに挟んであるだけのシンプルな食べ物。シンガポールでは半熟卵と一緒に朝食として、単品でおやつとして食べられているようだ。喉にへばりつくような甘っとろいトーストとコンデンスミルクたっぷりのコピは東南アジアのうだるような午後の暑さによく合った。手に持った本も頭に入っているのかいないのか、野良犬のごとく暑さにうなだれて朦朧とする脳みそでたらたらと飲み食いするのがもっとも良い(シンガポールはどこも冷房がきついから、ここはひときわ衛生状態の怪しげなフードコートの一角などのお話)。なにはともあれ、先日シンガポールの話題になり、ダミアンがトライしてみたいというのでやってきた。
豊洲のららぽーとはロケーションも雰囲気も良いのに何故こんなにガラガラに空いているのか。両親の住む田舎でも次々と巨大なショッピングモールが建てられていくけれど、巨大なだけで内容が薄弱でまったく使えないようなガラクタばかり売っていて客入りが悪い。出来て数ヶ月もするともうつぶれそうな怪しい雰囲気が漂ってくる。ともあれ、わたしはどんな価値の高いものでも並んだりもみくちゃにされて買うのでは価値半減と思っているから、空いていればそれだけでよしとする。
ショックなことに、以前は中庭に面していて、晴れた日にはテラス席で日向ぼっこをしながら食べることができた店舗は、三階のフードコートのほんの片隅に追いやられ小さな看板を出していた。日本人には知名度が低いのか、人気がないのか。来る途中電車の中でばったり会った同僚(シンガポールに3年住んでいた)もそんな食べ物は知らないと言っていた。しかし、ダミアンは美味しい!と喜び、カヤジャムも購入した。節電で照明を落とされた暗いテーブル席で夜のレインボーブリッジに点された灯りを眺めながら、この先一週間は砂糖抜きでいきたいくらい甘い甘い夜を過ごし、ここは静かでいいね、また来ようね、と約束した。