My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2011年04月06日(水) それでも春はめぐる




















4月に入り、今年もまた新入社員達が忙しく挨拶をしにオフィスを訪れ、出遅れている中庭の桜に変わり、オフィスに花を咲かせている。スーツも髪も呼ばれた時の返事も何もかもがピッカピカで、自分まで全てを新調したような気になる。

会社命令で一度は母国に帰っていったインディアン・ガイは、たまりにたまった仕事を放ってじっとしていることができず、親に顔を見せたらすぐさま再びヨーロッパに飛んで仕事の続きをこなし日本に帰ってきた。いつからか立派な日本人になったようだ。そしてこんな大惨事に見舞われた時の日本人の強さや冷静さ、協調性はみごとだ、こんなにうまくやれる国は他にないだろう、と賞賛した。その意見には賛成だ。しかし、今はまだほんのはじまりに過ぎない。本当の勝負はこれからだ。阪神・淡路大震災の時、避難所でみんなで肩を寄せ合い、悲しみを共有していた時はまだよかった、避難所から各仮設住宅に移って暮らしはじめた時、孤独死する人が後をたたなかったという。被災した人は家も仕事も家族も心も建て直していかなければならないし、被災しなかった人も忘れ去ってはならない。これから長期にわたって日本全体で考えて、ひとつづつクリアしていかなければならない問題だ。

朝、津波に呑まれ、残った屋根の上で漂流していて救助された犬と飼い主の3週間ぶりの再会の映像がニュースで放送されていた。わたしの人生はいつでも動物との友情に支えられていたから、こんな映像を見せられては、反射的に自分と彼らとの別れなどを思ってすぐに涙があふれてきてしまう。おんおん泣いてから、ふと疑問がわいた。飼い主は助かっているのに、何故犬だけ津波に流されたのか。避難時に犬を置いて逃げたのか。そんなことを想像してしまったら心にスーッと隙間風が吹いた。

今年も毎年恒例、会社の同僚達がお花見を計画している。お花見は自粛するように、などとも呼びかけられているけれど、そんなことに意味はあるのか。"桜の下でのバカ騒ぎはやめるように"と訂正してはどうだろうか。日本経済だって大変なダメージがでているのだ。こんな時こそみんな外にでて元気に遊べばいい。

(写真:コブシの花)


Michelina |MAIL