My life as a cat
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2011年01月29日(土) Hobgoblin

残業して作り上げたドキュメントは、翌朝読みかえすと、真夜中のいかれた頭で書いたラブレターのごとく壊れていた。お金は貯まらないというのに、仕事だけはたんまり貯まっている。料理をする気も失せてランチは社員食堂へ食べに行くことが増えている。安くて美味しくてメニューも豊富、雰囲気が落ち着かないという以外はとても良い。朝にメニューをチェックして食べる物を決めたら12時ぴったりに短距離走の選手のごとく勢いよくオフィスを飛び出し、食べたい物の前に一目散に並ぶ。一日のうちでわたしが一番生まれ持った才能を発揮する時である。食べ物のこととなるとわたしの足はチーター並みによく働く。もりもりと食べて膨らんだおなかをさすりながらのろのろとオフィスに戻りはじめる頃、20代のナメクジ・ボーイズ達が入れ替わりのろのろとやってくる。遅すぎて余り物を食べる以外に選択肢がない。しかし、そんなことは彼らにはどうでもいい。"おなかにいれときゃ何でもいいやぁ"、果ては"食べても食べなくてもいいやぁ"くらいの間抜けな顔つきで歩き、また余り物をおいしいんだがまずいんだかわからない顔つきでただおなかに詰めている。わたしは野菜しか食べない肉食女子で、彼らは肉を食べる草食男子である。しかしあんな精気のない動物など食う気も起こらない。わたしは血まみれになっても共食いを試みたいところだ。そうダミアンに話すと、
「君とうまくやっていけるのは僕のような食欲旺盛なコアラのような草食系だと思うね。」
なんて言うので笑ってしまった。まぁ、おっしゃるとおりではあるが。。。

週末、バースデーパーティがあり、外国人の同僚や彼らの仲間と大勢で六本木のアイリッシュパブへ繰り出した。六本木のパブなど滅多に足を踏み入れないため、タバコまみれ、酒まみれと決め付けて、ウォッシャブルのワンピースを着て出かけたものの、全くそんな心配は不要だった。外国人達はマナーよく外でタバコを吸い、ビールを片手におとなしくダーツなどで遊んでいた。オージーガイお勧めのバロッサ・ヴァレー産の赤ワインを飲みながら、ちょっと酔いの廻った頭で先日ひらりとメールをくれたJを思い出した。バロッサ・ヴァレーはJの主要な出張先で、仕事はきついながらも自然が美しくてなかなか気に入っているといったメールを何度かくれたのだ。壮大な草原のようなJがいつも心に住み着いていている。しかし掴みどころがなくて、刹那的な付き合いしかできないのではないかと思える。いつかメールも途絶えるだろう。このままでいい。"いつかもう一度会いたい人"のままでいたほうがいいように思う。

疲れた肉体にじわりじわりとワインは染み込み、宙に浮いているような感覚になっていた。ダミアンの腕につかまりながら思った。理想を追い求めては辛い別れを経験してきたのだから、今回は理想とは全く違うけれど、平穏な時間を一緒に過ごせるダミアンともう少しがんばってみてもいいかもしれない。


Michelina |MAIL