My life as a cat
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2011年01月23日(日) Der Tunnel




















休日の午後の風景。クロエちんは自分で勝手に作ったフラワーベッドでうたたねをして、気が向くと花をムニャムニャと食している。1週間前まではパッションピンクのオキザリスが朝日に向かって手を広げるように花を開き、日没と共に花びらを閉じていたのだけれど。。。

おやつを広げてまったりと観はじめた"Der Tunnel" (邦題:トンネル)というドイツ映画に思いがけず何度も号泣した。1961年8月のベルリン。突然東西を分断するフェンスが張りめぐらされ、一夜にして引き裂かれた家族や恋人達。それからフェンスの向こうに着々と築かれるレンガの重圧な壁。これは西側に逃れたものの、東側に残してきた愛する人々を救うために壁の下に145mものトンネルを掘った人々の実話だ。この映画で良かったのはトンネルを掘る男達の泥まみれの汗臭いだけのストーリーではなく、妻、妹、母、恋人あらゆる立場の女性の愛の深さと強さがこのトンネル作りを進める上での原動力となったことが強調されて描かれていることだ。カロラという女性など、妊娠しながら夫と西へ逃げる途中で一人だけ捕まって刑務所に入れられた。母は子供を守るためならスパイにでも何にでも寝返る。最後は西側にいる夫の元に子供も託してしまう。夫と離れ、子供のことを一番に思い、ひとり東側に残り政府への裏切りを働き制裁を受けることを決意する母の強さ。自分の幸せはイコール息子の幸せ、でもその息子に会えないんじゃどんなに辛かっただろうか。誰もが幸せになるパーフェクトなエンディングではなかったが、地下の暗いトンネルに点々と灯りが燈りはじめたように人々の心にも希望の光が燈りはじめていた。


Michelina |MAIL