My life as a cat
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2007年09月05日(水) 歯は命

歯医者さんでちゃんと歯型をとって作ったマウスピースができた。しかし、その本命よりもわたしの心を動かしてしまったのは「あっ、ついでにこれもあげとくわっ」と何気なく手渡された自分の歯型の石膏。自分の奥歯の内側がこんな風になっているのかとしみじみ眺めては感心し、裏から見ると自分の咽喉から口内を眺めているようだとわくわくした。家に帰って見せびらかしてみたけれど、家族はヒンヤリ、誰も興味を示さないどころか、自分がいつか入れ歯になる日を想像したのか、そんなものどっかにしまってきなさいっ!と怒られた。マーヴは市販のボクシング用のマウスピースをして歯と唇の間をぽこりと盛り上がらせて小猿のような顔で寝ていたからこれからはわたしも仲間入りかと思ったが、オーダーメイドのはちゃんと歯にピタリとはまっているので、そんな顔にならず、綺麗な寝顔(勝手な妄想)を保つことができる。ちょっと噛み合わせが悪い詰め物をされただけで平衡感覚を失って頭もぼんやりしてしまうのだからやっぱり歯は命、ここは絶対おろそかにできないところ。

昔から男の人のルックスで絶対譲れないのは歯がキレイなことだった。元々丈夫でキレイならパーフェクト、虫歯になってもちゃんと治療してあれば大丈夫、歯をないがしろにする人は全てにおいてだらしなく、あらゆる価値観が自分とは合わないのだと決めつけてきたが例外は見たことがない。と、こんな風にちゃんと理屈が言葉で説明できるのだが、どこかで「野生動物は歯がなくなってしまったらもう獲物もとれないからそれは即ち死を意味する」という記事を読んで、いや理屈ではない、こんな「不自然」の暮らしに身を置く自分のような人間でも「本能」でちゃんと獲物を運んでくるオスこそ生活に必要だと知っていたのではないかとその力強い自然の摂理を思って感慨にひたった。


Michelina |MAIL