ちょっとした体の不具合が見つかって、検査の為に病院通いをするようになった。虚弱だった子供の頃に行き過ぎてしまった反動なのか、大人になってから「病院」という存在自体が逃げたくなるように怖い。母ももう子供の頃にように一緒に付き添ってくれることもない。ひとりで心細く病院へ行って、家に戻るとマーヴから手紙が届いていた。「君は健康だと思う。大丈夫だよ。それにどんな病気を抱えていても僕は君を愛すると思う。」と書かれていた。家族以外の他人に”絶対”に近いくらいの愛情を信じてしまってもいいのかもしれないと気持ちが緩んで、妙に泣けた。(写真:母の白い紫陽花)