My life as a cat
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2005年06月17日(金) 豊かなんかじゃない

長々残業をしてしまい、疲れと麻痺した空腹感とで意識朦朧と電車に乗りこみ家路に着いた。金曜の22時近くのこの電車はわたしのような疲れきった勤め人ばかり。シルバーシートがあいていたのでわたしはぐったりとそこに座っていた。数駅行くと眠っている子供を抱えた女性が電車に乗り込んできた。シルバーシートは優先される立場でない人々で埋まっていて、当然わたしもその1人なのでその人に譲ろうと席を立った。が咄嗟にわたしと同じ年くらいの見た目のOL風の女性がさっときてそこに座ってしまった。そしてシルバーシートに座っている他の5人も全員子供を抱えた女性が見えているにも関わらずみんな無視している。本気で気付いていないのか、気付かないふりをしているのか。そのうちおばあさんも乗り込んできたが誰もシルバーシートから腰を上げない。

疲れきった体が精神までも疲れさせ、ただでさえちょっと鬱な気分だったのにこれを見て余計に沈み込んだ。わたしは何のために残業までして働いているのだろうと思った。こんな風に日本人は朝から晩まであくせく勤勉に働いて経済を豊かにしてきたのに、その一方で精神の豊かさを失ってしまっている。直接関わる人間でなければ親切にする必要はないとか自分がやらなくても誰かがやるだろうとか、そういう人が多すぎる。

毎日電車に乗っているけれど、本当に譲り合いとか助け合いの精神が薄いと感じる。走って席取りをして、一度座ってしまえばお年よりや妊婦が前に立とうとも見ないふりをする。そこが優先席でなくても彼らに席を譲ってあげたほうがいいだろうと思わないなんてよほど精神が疲れているのではないだろうか。


Michelina |MAIL