My life as a cat
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2003年08月23日(土) マーティン飛行機に乗る

日本に無事到着。久々に湿気のある空気に触れてあぁ日本だと感じる。マーティンは暑いのをいいことに水代わりにビールを飲んでいる。これからの2週間どうなることやら。

金曜の夜、家をでる30分前にやっとマーティンが重い腰を上げて旅支度を始めた。間に合うのか、とドキドキしていると更に追い討ちをかけるように、なんと、
「僕はやっぱり飛行機が恐いよ。家にステイするべきかもしれない」
などと独り言を言い始めた。わたしは京都の旅館などを全部予約してあったので今更キャンセルなんて、、、と心臓がバクバクしはじめたけれど、無視。「そろそろタクシー呼んで。」
と言ったら、まだブツブツいいながらそれでもなんとかタクシーを呼んだ。

マーティン青ざめながら飛行機に乗り込む。運悪くとても古い飛行機。個別のモニターもなくて、彼の大好きな任天堂のゲームも楽しめない。顔色は余計悪くなった。そのムードは伝染し、食事の時間以外はぴりぴりして口論などした。

朝の9時半、日本に到着。マーティンはママを驚かすのだと成田で早速国際電話のカードを購入していた。父と妹が迎えにきていた。マーティンは妹に向かって開口一番に「キツネ!」などと言った。3人でパースでキツネを見たのを思い出したのだろう。空港のビルから駐車場に出て外の咽返るようなモワっと蒸し暑い空気に触れたら日本だ〜ととても胸に懐かしさがこみ上げた。成田から家まで車で1時間弱。マーティンは家までの景色を見て自分のヨーロッパの実家に似てると言って喜んでいた。また走っている日本人の新しくて綺麗に磨かれた車も彼には物珍しくとても興奮していた。車の中では緊張もほぐれたのか、くだらないことばかり言っていた。父も相手が外国人なのでちょっと面白かったのか、いつもはわたしの男友達と喋りもしないのに、昼ごはん何食べたい?などと聞いた。
「ネコ」
、、、、、。

そんな風にして家に向かい、着くなりマーティンは父に対していつものいい加減ぶりを発揮してしまった。父がそばを食べるか?と聞いたら、食べるというのでそばを茹でてくれたのに、その間に寝てしまい、できあがったので起こすと一言「要らない」と言う。父に「要らないって」とわたしが伝えるとぽかんと口を開けていた。後で彼が起きたときにその話をすると
「なんで起こしてくれなかったの?君のお父さんに失礼なことしちゃったな」などと言った。いっつもこんなんだ。

少し休んで夜に家族と叔父が経営している寿司屋に出かけた。家族が玄関で待っているのに、彼がなかなかトイレからでてこない。どうやら初めての全自動トイレで遊んでいたようだ。

叔父に彼はツナ軍艦が好きと話したら特別に作ってくれた。ツナ軍艦は普通の寿司屋のメニューにはないことを知っているので、
「パースのツナ軍艦に味が近いです」
などと訳のわからない褒め言葉を言っていた。彼と父はとっても似ている。酒とシーフードと海が大好きで、朝しか歯磨きしないのに歯が綺麗で虫歯一つ無い。そして酒を飲んでからパソコンをする。何から何まで、、、。この二人はいきなり息があってしまったようで、父は良い飲み仲間が出来たとばかりに大喜びだった。マーティンもビールを大ジョッキ4杯も飲んで、お寿司もガツガツ食べていた。両親が彼はどれくらい飲み食いするのかと聞いたら、
「お寿司は最高で56ピース、ビールは学生の時は大ジョッキ10杯のんだけれど、今は5杯しか飲めません」
などと答えていた。5杯しかって、、、。叔父と叔母は彼が出せば何でも食べるので喜んで色々な食べ物を出してきて
「これも食べるのか?じゃぁこれはどうだ?」
なんてやられて、上野動物園に来たばかりのパンダのようだった。彼も楽しそうで
「あんなトイレは見たことがなくて、すっごく楽しい。僕は未来を描いた映画を見てるみたいだったよ」
と両親にトイレのことを褒めちぎった。(ちなみに5人前頼んだお寿司、4人前Mが平らげて両親を心配させた)

家に帰ってからも蚊取り線香を見ては母に
「ネコ焼いてるの?」
とかおかしなことを言っていた。両親は「
おかしな子ね」
と言って彼を気に入ったようだった。


Michelina |MAIL