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家の近くにある橋の上でバスを乗り換える。その橋はたくさんのストリートがぶつかる地点にあって、信号待ちの車が止まる。その車の窓拭きをしてお金を稼ぐ子供達がいる。殆ど毎日、朝から、晩まで。彼らは純白人の子供ではない。顔つきは殆ど白人だけれどどこか色の浅黒さなどアボリジニの面影を残している。
200年前、白人がこの国に入ってくるまでこの国に住んでいた先住民アボリジニはその後表の世界から抹殺されてきた。虐殺され、住む場所を奪われ、時には研究用として死体をドイツに送られたりした。彼らと白人を5回も交配させればアボリジニの特徴は消えて白人になるということを知った上での「同化政策」というものも行われていた。
現在オースラリア政府は彼らに謝罪の為に給付金を出しているけれど、お金だけでは全てを解決に向かわせることはできない。自由になった今でも白人と肩を並べて働くアボリジニは見かけない。働く場所が無いのか、働く気がないのかは分からない(両方かもしれない)。まず教養がない。ここパースで起きる犯罪(盗みや暴力など)も彼らによるものが多い。シティに行けば、仕事もせず給付金で酒を飲んで虚ろな目つきで喧嘩をするアボリジニがいる。悲しい過去には同情するけれど現在彼らによって治安が乱されているのは事実だ。
橋の上の子供達はまだ小学生から中学生くらいだろうか。この橋の上での窓拭きは安全なものではないし、無理やり窓を拭いてもらっても小銭をあげるどころが気分が悪い人もいるだろうから褒められる仕事でもない。けれど彼らは日差しの強い夏の間もずっと屋根もないその場所で朝から晩まで汗を流して働いている。このオーストラリアで小学校、中学校に行かないというのも少し心配だけれど、少なくとも彼らは「お金は働いた代償としてもらえるものだ」ということを認識している。彼らに明るい未来があるといいと思う。