元彼とご飯に行く事になった。 一度は断ったんだけど、 彼が誘ってくるときは仕事の日が多かったのに、 昨日は休みだったから。 気分転換がてら会うのも悪くないかなって思った。
準備して、 電車乗って、 美味しいお店があるからって、ご飯食べて。
思ってたよりも普通に会話出来た。
あたしはひとつ嘘をついた。 彼氏が居るって。 元彼には彼女がいるし、 「俺のことまだ好きだから彼氏作らないんでしょ?」 なんて思われるのが癪だった。
話す事に夢中で彼に言われたのが 「もっと美味しそうなリアクションしてほしかったんだけど」。
あ、ごめんね。 あたし思ったよりも舌がこえてる。 普段は中年のおじ様とご飯してるような女だよ。 気付かなかったけど、これが温度差でもあったんだね。
その後彼の家で飲みなおすことになって。 別に何もないだろうって思ったんだ。 本当に。 珍しく期待なんてしてなかった。
だけど彼から、 「エッチしよ?」って言われた。 は?って思ったけど、 あたし実際には彼氏いないし、 彼女より上に立った優越感に陥った。 だから、また戻ってしまった。
この男はなんだろう。 あたしはまた立派な浮気相手。 身体の相性は悪くない。 だってずっと一緒に居た人だもん。
あたしね、 本当にあなたに対しての気持ちはなくなったの。 だからかな。 今好きな人と身体重ねたときのような虚しさもなかった。 だけどね、不安なの。 あなたが。 弱い人だから、あなた自身がちゃんと幸せになれるのかって。 今の彼女さんを大事にしようか、 次の彼女を作ろうが、 それはもうあたしの中で問題じゃない。 誰よりも弱いあなたが 心から笑えてるかってことが、心配なの。
余計なお世話だよね。 でも気になっちゃうんだよ。
元彼に会う前から彼とはメールしてた。 元彼が泊まっていっていいっていうから そのまま泊まったけど、 彼には敢えて終電を逃した事にした。 「どこで?」って言われたのがちょっと心に刺さったかな。 元彼の家は、あたしたちの仕事場から見れば彼の家と逆方向。 ねぇ。 もしかしてそっちのほうに居たら、 あたしと会ってくれた?
けどね、 あたし、あなたに対しても罪悪感とかないの。 好きだったら付き合ってなくても関係ない。 妙な貞操観念があったのに。 あたしは彼を好きじゃないのかな。
なんだろう。 妙に気分がいい。 今まで悩んでた事がなくなったみたい。
そう。 あたしが元彼のこと区切りをつけて。 まだ彼を好きになってなくて。 その無になってた期間。 そこに戻ったような気がするよ。
|