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2012年10月18日(木)

今更 薄桜記最終回を見た

今年までBS放送を見るには、の手順を以下の通りに考えていた。
1.BSが見られるテレビを買う。
2.BSのボタンを押す。以上。

「...(しばし間合い)それはね、あなたが住んでるマンションにBSのアンテナがついてるか、ケーブルテレビに入ってるかということだー!」(全くモノ知らないんだから)

と言われた。
そうか。戸建てに住んでる人とかは、その前に色々面倒があるのね。
誰でもボタン一つで見られるのかと思ってた。

なるほど。
地上波だと反響の大きさが違うねー。なるほど。なるほど。

スタパの録画も見たし(お肌つるつるー。柿色のジャケットが後ろのお花と期せずしてあってていい感じ)、
夕方のも録画時間結構ぎりぎりに設定してたから焦ったけど、かろうじて撮れてたよ。

で、初回放送の日にようやく最終回の感想を書く。
地上派の放送までにはーと思い、間に合った。
『薄桜記』最終回まで見終えた。満足。最終話を中心に全体の感想をざーっつと列挙する。

まずは、"けなして楽しむ"ことから。

・爺ぃの芝居がうざい。
屋敷の時から、爺ぃの芝居が、『赤城の月も今宵限り・・・』の剣戟芝居そのままで、うっとおしいったら。
原作だと長屋時代に身の回りの世話するのが爺ぃだったので、どうなることかと思ったら、可愛い女の子で、ジェームス三木さすが。
まさに『社会的眼福』(ナンシー関の言)。可愛い女の子を見て、無条件に気持ちが上がるのは何も男子ばかりではない、ということだ。

津川雅彦もくどい上に、何を演じても同じ。
でも、母親世代の人に「ああ、あれは昔から大根で有名で。」と聞いたので、そんな程度なんだろう。
大河にケチつけたらしいが、そんなお立場とはとても思えず。
自称も長年やってると、力技で周囲も認めざるを得ず、ということか。鈍感力ってあるんだなぁ。

・最終回の吉良様
何か一言台詞が足りないような。
単なる気まぐれの行動にしか見えず、何か一言、死生観や美学に繋がる一節があればなぁ。

さて、あとは"褒めて楽しむ"

・高嶋弟。いいなぁ。
いなせで明るくいい人なんだけど、世知にたけてしたたか という多面性を短い時間で表現。

・ともさかりえ。いいなぁ。
細ーい身体からにじみ出る色香。
奥深い情をさらりと羽毛でなでる様に演じていらっしゃいました。

・安兵衛いいなぁ。
素朴で一本気で明るい。典膳さまの静に対する動。対比が鮮やかでした。
上半身の薄さが残念。

・千春さん。
絶世の美女設定には健全すぎて、うなづけず。
"気立てが良く若いのにしっかりした、しかも綺麗なお譲さん"程度に出来なかったのか。
回を追うごとに居ずまいがこなれてきて、TTB!のすみれちゃんではないが、伸び盛りの印象。
凛とした武家の奥方はハマってました。


・『燃えよ剣』で、「漢の一生とは美しさを作るためのものだ。自分の。」という台詞があったが(あったような気がする)
このドラマのテーマもそこなのだろうなと思った。

山本さんは時代劇はファンタジー・エンターテイメントと表現されるが、まさに!
現代劇ではここまで、どストレートに"美しく生きる"ことをドラマで表現するのは難しい。

だって、典膳様にふりかかるあれこれを、現代を舞台にリアルに描くとしたら、雇い止め、倒産、失職、レイプ、傷害事件、後遺症、職場での疎外感。。。。
これでは、社会の暗部を糾弾する問題意識高い社会派か、貧困とはなにかの実録ものになってしまう。
もしくは、ぐちゃぐちゃ美の礼節のと寝言言ってないで、しゃきしゃき働けや!というダメンズを叱咤激励する話。
んなもん見たいかっ! という前にテーマからずれてる。

時代劇ならではの良さをわかって、あえて王道を突っ走る。
大河の評判が今一つ安定せず、「NHKの時代劇制作能力に疑問符?」などの記事が出る中、
「どうだっ!直球だって投げられるぜ」と意地を見せた作品のように思った。

・雪の墓
白い雪の中で静かに眠る典膳様は美しゅうございました。
最後のこのエンディングからの逆算のような、物語かと思いました。

全編通して、所作・口跡が美しく、生き方は居方に通ずところを体現されていたと思います。
磐音さまが春夏仕様・典膳さまが秋冬仕様 という感じ。
同じ顔の人が、同じく禄を離れて浪人になる物語なのだが、同じ山でも季節で見え方が変わるように
違う景色を見せてくれたと感じました。

って、なんで、ですます調?!
典膳様思い浮かべると、背筋がすきっと伸びるというか伸びないと申し訳ない気持ちになってしまうのだよ。

耐える役だから、数ヶ月もこの役やってるのは、ストレスたまっただろうなぁと思う。
お疲れ様でした。素敵でした。

スタパを見て、とてもとても大変な日々を超えて、この『薄桜記』、そして『tick,tick...BOOM!』をはじめとする各種作品を作ってくれたのだなぁと、ホント感謝です。

とてもスムーズに撮影が進み、収録時間が想定より短くあがることも、とBS放送時の取材でおっしゃっていたが、言わずともわかる、仲間の心遣いもあったのかも知れません。
準備と段取りをとにかく念入りに、のような。

そして、思うのでした。
"うもれびと"とかスマスマSPとか、ど忙しい6月の収録だったのでは?
4月の戸田さんLiveだって、既に薄桜記の収録が始まってた時期だし、あ、5月に朗読会ってのもあった。

これも"仲間がいるから"なのかなぁと感じた。
どれも皆、楽しかったから、出てくれてThank Youです。


alain

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