Leben雑記
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イノセンスの話。 人形に対する憧憬と、犬に対する憧憬とが重ねられている。 それは、全体性の獲得願望であるといえるだろう。 われわれ人間は神にはなれず、意志による全体性はあり得ない。ただ、制限された意識と意志を持つのみである。われわれは常に志向的性質としての意識しか持てず、その限定性が苦悩を生む。では、意志を捨て去ってしまえばどうか? そのとき、まったく逆説的に全体性は獲得されるのではなかろうか。 その境地こそが、「均一なるマトリクス」……それはつまり、端的に言えば無意識のことだ。人形は意志を持たないがゆえに、全体性を保持するのではないか。それは神へと至る道と同じではないのか。
われわれは常に全体性に憧れる。神に、そして人形に。
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