酒場と野球と男と女
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2007年11月14日(水) |
古今東西、哲学は厠で生まれる、の巻。 |
何を隠そう、モグの「ウン離れ」の良さは
自他共に認めるところである。
「他」の誰が認知しているかは知らぬが、少なくとも家人は知っている。
1日3回もしくは4回は、必ず「ウン」を離す、
というか「放つ」、といった方が的確かも知れぬ。
音を放ちながら、「飛び散らす」事も、ある。
故に、着座するときは、ぐっと沈める。
できるだけ放射範囲を狭める為の、得たテクニックだ。
放射後、個室でまったりと、日刊スポーツ「佐藤量のマンガ風俗探訪」を
堪能するのが、何よりの至福の時である。
「日暮里の人妻性感にピコピっと電話。30代ちょい太めのサービスのイイ子
を指名。15分でピンポン。おっと若い頃の京マチ子にチョイ似の
豊満バンザイ、胸元からこぼれんばかりのFカップ乳が…」
などと、眺め読み、三船敏郎ばりに、アゴを撫でながら、
(う〜〜ん、羅生門!)
と、呟いたりする。
そして、おもむろに、ウオシュレットを最強にし、菊洗浄。
体内で生まれ、育ち、十分な大人になれぬまま離れていくモノたちに、
(さらば、青春!)と、レバーを大に。
轟音の中、備え付けのブラシも使い、跡形も無く、隠滅。
軽くタメ息をつきながら、外界に戻るドアノブを回す……。
という行為を、毎日数度行ってるのが、モグである。
つまり、どちらかというと、という曖昧な表現ではなく、
「下痢っぴ!」
なモグであるところは、他の追随を許さぬ。
いや、「他」と競ったことがないので、許してるかも知れないが、
一応、許さない。というか、どうでもいい。
そう、どうでもいい、と思っていたのだ。
(屁っ!どうせオイラは、下痢っぴですよ!)
と斜に構えていた節さえある。
斜に構えたせいで、あらぬ方向へ散ったことも、ままあったような。
それが、それが、驚いたことにこの3日、今日で4日目、
「出ない!」
経験したことのない苦しみ。膨満感で狂いそうだ。
妻は嗤う。
「まだ、4日でしょう。大丈夫、そのうち何とかなるわよ」
「コーラック」愛用者である彼女の記録の半分にも満たない時点で、
七転八倒している者を、心配はしているが、本気ではない。
牛乳を飲む。冷水を飲む。蒟蒻を食べる。牛蒡を食べる。
3日間、ヤクだけには手を出さず、療法してきた。
しかし、限界だ。
ヤクを、ヤクを。
「ビオフェルミンでも飲む?」
能天気に問う妻に、謂われも知らぬ敵意を抱いたモグだが、
「ああ」
と答えてしまった。
「飲んでもすぐは効かないよぉ」
(分かってるよ、分かっているさ)
「あんまりひどいなら、病院行ってみたら」
(病院?病院行くのか?何て言うのだ、問診で。ウンコ、4日出ないんです、
とでも言うのか?47歳のヒゲ面の男が。苦笑しながら、ハイ、そこに
横になって、ハイお尻持ち上げて、ズボンとパンツ、一気に下ろしますよ
ハイ、下ろしたぁ、ああぁ、こりゃあもう入り口まで、いや出口ですなぁ
失敬!出かかってますが、どうします?浣腸しますか?ええっ?
「ハ、ハイ、浣腸を…」そうですか、おおい、浣腸!200cc!。
………わぁ〜〜〜、なんつう屈辱、癖になったらどうすんだ!)
と、涙に滲んだ眼で、モグは妻に訴えた。
「ワタシ?ワタシは嫌よ!自分でやってね!ワタシはやんないわよ絶対」
ううっ、新しいエッチ世界が開かれる機会は、あっけなく閉ざされた。
などと、言ってる場合ではない。
「排泄に勝る射精なし」
と知ったのは正に、この時である。
苦しみは何であれ、人に哲学を与える。
そして、そして。
「明けぬ夜なし」
ついに、トグロという名に相応しい成熟した大人バナナが3本。
(こいつらか、こいつらが、オレを、あれほど苦しめたのか…)
踏ん張りに滲んだ目頭に、また新たな涙が。
憎くも愛しい。
当たり前の事の大事さ、普段当然に思っていることの尊さ。
(こいつらは、「実」をもって教えてくれたんだなぁ)
また、ひとつ、哲学が。
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