酒場と野球と男と女
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2006年10月12日(木) |
連載開始!不連続ブログ実話小説!!反響轟々必至!!の巻 |
北海道日ハムファイターズ、パリーグ制覇!
特にファンでもないんですけど、ブログらしくリアルタイムものもたまにはね。
何故だか知らんが、ビールかけ、観てしまうんだなぁ、これが。
それも、チャンネル、ザッピングしながら。
おっ、報道ステーション終わったから、次、TBS。テレ東観て、フジで最後かな。
何だか深夜、ビールかけシーンを何度も観ている、アタイ。
同じ選手の同じようなコメント、似たような女子アナの似たような嬌声。
何が面白いのか良くわからないまま、狂騒シーンを探し、
チャンネルを巡っている、ボク。
ついこの前の、中日ドラゴンズの時もそう。去年の千葉ロッテの時も同じ。
嫌いなジャイアンツの何年か前の優勝の時も、
ビールかけシーンは、観ていたような気がする。
特別に応援している訳でもなく、大して好きでもない球団の歓喜狂奔している
画面を、焼酎ウーロン割をちびつきながら、知らず知らずニヤニヤしている、俺。
なんなんでしょう。そういうの、他の人、あり?
少なくても、家人には、冷ややかに見られていますがね、当然。
まぁ、いいでしょう、穏やかなことですわ。
そう、優勝コメントの中で、日ハム野武士小笠原選手が、
「日本シリーズに勝って、ツーさんを胴上げしたい」
なんて事を言っておりました。
ツーさんって、新庄剛志(つよし)選手、だって。
新庄って、チームん中で、ツーさんって呼ばれてんのか、
何か、いいんじゃねぇ、イイ感じの話やねぇ。プチ気持ちジーン。
さぁ、この気持ち大事にして、新企画いってみよう!!
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不連続ブログ実話小説
「バブルカムブラザース〜煤けた背中は見飽きたホイ〜」
作 渡良瀬夏雄
第1話:国民金融公庫渋谷店
「で、いくら要るの?」
安っぽいスチール机の向こうで、スダレ頭のオッサンが、口を開いた拍子、
提出書類に、白濁した唾液が、パラリと散った。
対面する中村浩太は、歪めた顔を戻さず、
「いや、まぁ、500位ですかねぇ」
中村的には明らかに(ぶっ殺してやる)マナコで、睨みつけて言ったはずなのだ
が、スダレに腕押し、いや、ノレンか。
「500って、500万?まぁ、500円じゃあないよな、うひゃひゃひゃ」
スダレを思いっきり引っ張り倒し、机の上のボールペンを4、5本握り、
脳天めがけ、剣山如く突き刺し、ペンの根元から、赤やら青やら黒やら、
何の液やら分らないドロドロ血が、だらだら額に流れ、白目を剥いている
スダレ頭の姿を2秒で想像し、気を落ち着かせ、中村は、頷き答えた。
「ですよねぇ〜」
スダレ頭は、中村の答えが面白くなかったのか、もっと突っ込んでもらいたかっ
たのか、急に顔を引き締め、
「500万ね、じゃぁ、ここに500万円、書いて」
と、素っ気なく、書類の、融資希望額の欄を指差した。
中村が経営する、株式会社翔通社の会社名と所在地東京都渋谷区、
など必要項目は、既に記載している。 唯一空白の欄に、力を込めて、言われた数字を書いた。
「はい、後は、っとーー。会社謄本、通帳、申込書、はい、決算書、3期分ね」
さらっと、目を通した、スダレ頭は、
「2週間後に、また来てくれますか、審査に出しますから」
集めた書類を隅にひとまとめにし、誠意なく言った。
「2週間ですか、はぁ、そこで融資は、実行して頂けるんですか?」
「いや、審査結果が出てからですよ、当然、その後。融資は」
「そうですか。ですよねぇ。わかりました」
「はい、では、また」
先に席を立ったスダレ頭は、すでに、後ろの同僚オヤジと釣り談義をしている。
中村浩太は、口癖の(ですよねぇ)を、呟きながら、
ようやくスチール椅子をずらした。
ずずずずずずっ!
思いがけない程、床と擦れる音がし、一瞬スダレ頭が、こっちを振り向いたが、 その目は、中村を人と認識していない。
中村は、ここに来ても無駄!(ですよねぇ)、と合点し、
国民金融公庫渋谷店の、重い扉を押した。
(次日に続く)
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