| 2009年04月22日(水) |
「7ストーリーズ」モーリス・パニッチ作 読了 |
「7ストーリーズ」(1989)モーリス・パニッチ作 読了。
訳者によるあとがきによると
「イギリスの伝統を汲む古典的な劇作法から
いつまでたっても脱皮できないでいる旧世代のカナダ演劇人」に対し
作者のモーリス・パニッチの作風は「まことにもって型破り」であり
「従来的なものすべてに反逆」し「旧来の常識・因習・法則、そんなものを
徹底的に破壊したところですべてを考え直す」それが「信条」であり
「全作品に通底するテーマとなっている」とのことだ。
そこまでこの作品が反逆か?
打ち上げ過ぎな言い回しがこそばゆい。
この芝居は全場面の設定が建物の外壁になっていて
現代の闇?を抱えたアパートの住人たちが
外壁の張り出し(バルコニー?)の窓から顔を出したり
入れ替わり立ち代り出て来ることで物語が進行する。
「せっかく奥行きのある舞台を使いながら、その奥行きを殺し、
すべてのアクションを平面に閉じ込めてしまう」「大変な挑戦」ということらしい。
モノは言いようだと思う。
せっかく奥行きのある舞台なんだから奥行きを活かせばいいじゃん。
なんて揚げ足を取りたくなる。
芝居を知り尽くしている人の玄人好みの見方はあるかも。
桂米朝の落語に
お茶屋で遊び倒した旦那が色々なことに飽いてしまった挙句
かぼちゃの花の酢の物(価値があるような無いようなもの)を愛でる
という枕?話があったのを思い出した。
何かそんな感じ。
外壁に立つ自殺願望の男とアパートの住人とのやり取りは
普通に面白かった。ただ「反逆」だとか「型破り」だとか思わなかっただけで。
1989年の作品だから年月の流れにも関係するのか。
針小棒大な解説だからこそ考える取っ掛かりになったのかも、とふと思う。
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