fleur bleue
sora



 膨らむ不安

初めて病院に行きました。

待合室には、私と同じように、心に病を抱える人たちが、所狭しとひしめきあっていました。

皆の目は虚ろで、場の空気は限りなく重く、一人一人が、不安そうな空気を醸し出していました。

一時間ほど待った後、名前を呼ばれて、診察を受けました。

医師の先生は、とても優しそうな人でした。

でも、初対面で心を開くことはできませんでした。

一人でいるときの不安な顔を決して見せることなく、気がつけば診察は終わっていました。

正直、救いの実感は何もなくて、手元にわずかな薬が残っているだけでした。

2006年02月25日(土)
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