俳優ユースケ・サンタマリア氏を個人的趣味で鑑賞...いえもと(改名しました)

こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
ドラマのあらすじを知りたくない方にはお勧めできません。
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東京月光魔曲 免疫ないなら、鈍感なくらいでちょうどいいわ - 2009年12月25日(金)

「東京月光魔曲」2009年12月〜
シアターコクーン20周年記念作品。ケラリーノ・サンドロヴィッチの作。

(必要以上にネタばれしてしまうのがアレなので、せめて、ユースケ氏以外の役名は英字を振って伏せていきます)


☆どうしようもない片想いがいつもそこにあったゆえの悲劇(喜劇?)だと思った。

(この場合、形の上では両想いでも、自分の懸想のほうが圧倒的に大きい状態を片想いと呼ぶ。)

きょうだいでも親子でもそんな境界線は溶けてなくなってるし。

Bは姉のA子に、A子は父に、Cは妻のDに、Dは息子に、
双子の兄は弟のEに、Eは母に、
A子はCともEともその互いの虚しさを預けあっていて、
一方、Dは、Bに縋ってみた。それがCの策とも知らず。
A子はCやEやFなんかよりもBを愛しているはずなのに
やっぱりBにはわからない世界を持っていて、

太陽が沈んで世界が月光下に入れ替わるたびに、彼女の心が彼らを翻弄。
あっちから照らせば優しいのに、そっちから照らせば、それは非道い。

そんなA子は女光源氏なような気がする。光源氏は亡き母の影を追いながら、彼女は亡き父の・・・。

☆(私の推測)おそらくEとFは結託して、Cに話をもちかけて、Eの兄を、亡きものに。
でも実のところは、それも全部、Bが操っていたのだろう。
そんなにしてまでも姉の心を独占したいBはすごく蒼ーい雰囲気でカッコ良かったー。

☆そんな彼女や彼たちの深すぎて殺されそうな愛もひっくるめて
そういう甘く香り高い毒たちー、の、総元締めな東京、だからこそ
八木兄弟は、東京に引き寄せられ、まんまと絡め取られていくし
そんな太郎くんも、なんとなく弟にプチ片想い。

無邪気そのものの田舎者の味。
Dという女の態度から、はじめて、悪意の洗礼を受けるまでは、
八木兄弟には人間不信の欠片もなかったはず。
無防備なゆえに東京の毒にドップリと染まりかけるけれど、お兄ちゃんは、そこまで変な方向に行ったきりになってしまわず、
ちゃんと帰ってきた。弟想いは揺らがなかった。でも
その弟想いそのものが弟を苦しめてたってことには、全く気づかない、
鈍感さ。それも哀しいけれど可愛い。

幼児のハジケかた&反抗期入ったヤサグレを同一人物に演じさせたらすごい上手だと思うユースケ氏、
芯は素朴で、でもやっぱり鈍感な兄、太郎くん、あの機関銃のように飛び出す方言(どこの言葉?)を
もう一度聴かせてほしいなあー。そのピュアな若さよ、いついつまでも。と言いたい。

※今回、Fと一緒に謎解きに同行するG子とHがものすごく私を癒したと思う。
HはG子に、G子はFに片想いだけど、これらは和菓子のようにホッコリしてるように味わえた。

(ああ、犬山さんってホントいいなあ。)




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