こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
「世にも奇妙な物語 ’05 春の特別編」より「倦怠期特効薬」フジテレビ これはお得な一品 - 2005年12月31日(土) 「世にも奇妙な物語 春の特別編」より「倦怠期特効薬」 2005年4月 フジテレビ (先日の再放送を、やっと録画で観られた・・・。私が今年最後に観たユースケ氏がこれ。) ユースケ氏が演じるサラリーマン・卓也は、「倦怠期」を乗り切る手段として、不思議な漢方薬にはまっていった。心の中の理想の女の姿が妻に投影される作用。 妻のみゆき(田村たがめ)は知らないが、卓也には彼女の姿が憧れのグラビア美女・井上和香に見えている。 これも一種の浮気に違いない。ばれなければ、妻を傷つけることもなく、むしろ妻を喜ばせながら浮気できるという、かなりおいしい話だ。 でも、すぐによそに女を作ったりせずに、卓也なりに悩んだところが、彼らしい優しさなのだろう。 本当は、昔のように、みゆきをそのまんまで愛せたらと願ってる。それゆえに、最初は夢中になった井上和香バージョン奥さんとのラブラブ生活にも、いつしか違和感や罪悪感を持つようになり、自ら出してる幻覚を自ら避けて過ごすという、矛盾した事態に。 避けられてると察したみゆきの、いじらしく切々とした涙の言葉に(このときの井上和香は泣かせる)、とうとう幻覚が消えて、本来の奥さんへの愛が戻ってくる(田村たがめも結構可愛い)。そして薬ビンの中身を、きっぱりゴミ箱に捨てる卓也。 そこでホロッとして「良い話だなあ」と思わせておいて、実は妻のほうでもその薬を使っていて、夫がイケメンに見えているのだった、というオチがついている。あらあら。奥さん、それじゃあんまりじゃないですか?あの涙はなんだったの? まあ、人って、筋の通らない生き物だから、そういうこともあるかもしれないですね。毎日朝から晩まで一瞬たりともよそ見せず、最初から最後まで何年も、一人の人を一貫して好きでいることのほうが、珍しいのかも。 ときどき我に返って愛して、ときどき勝手な夢を見させてもらう、それでもお互い大事に思ってるんなら、いいのかも。 で、この短いお話の中に、ユースケ氏の可愛げのある表情が、実にバラエティ豊かに収まっていることが判明。 ベッドで奥さんから慌てて逃げるように寝た振りするところとか。それから漢方薬局のおじさんとのやりとりとか。「一ヶ月分、もらおうか。」のあたり、ユーモラス。 雑誌の写真から飛び出したように井上和香が出現したときの、慌て方がリアルで、かっこ悪くて情けなくて良い。 横に寝ている彼女に。思わず「カワイイな・・・」と迫るところとか、適度にヤラシくて、これも良いし。 彼女との夢のような毎日、特効薬を飲み込んでから期待一杯にニンマリするその顔の、子供じみて嬉しそうな。 「もし俺が浮気したら、どうする?」って訊くときの目の表情はピッとして落ち着いてて、一瞬妙にカッコイイ。 思い出のアルバム、恋人時代の、明るく無邪気そのものの写真の数々。 プロポーズしたシーンも然り。怪しげなところが全然ない。さわやかで安心できる、善人っぽさ。 奥さんに申し訳ないような気がしてきたころの、彼女に対する微妙な雰囲気。 彼女のけなげな心を知って思わず「ごめん」と抱きしめるところなんかとても優しい感じだし。 ラストの罪の無い笑顔は、ちょっと間抜けにも見えて、可愛くてカワイソウだし。 と、これほど短時間のうちに様々なユースケ・サンタマリア氏を鑑賞できる一品だったとは、かなり儲かった気分でした。 -
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