37.2℃の微熱
北端あおい



 「思考を読む眼鏡」

ぼくの持っている《ビビ・フリコタン》という漫画のシリーズに、素晴らしい発明の登場する巻があって、いつも夢見心地にさせられたものだが、万がいち相手がこの僕にたいしてそれをつかってきたときのことを考えると、とても恐ろしい気がするのだった。思考を読む眼鏡、というのがそれだ。
(エルヴェ・ギベール「思考を読む眼鏡」『幻のイマージュ』1995、集英社)

こんな眼鏡だったら、欲しいなぁ。
もし手に入ったら、真っ先に自分の思考を読んで、「自分」という名の謎を解いてみせるんだ!!

わたしがいまかけている「思考を読む眼鏡」は「言語」という眼鏡だ。でも、これで中心を見ようとしても眩しすぎて、なにも見えない。上記の眼鏡だったら、その思考の中心を直視できるのかもしれないな。褐色の眼鏡をかけたら、日蝕を眺めることができるように、まっすぐ中心へと視線を向けることができるのかもしれない。

そういう眼鏡が欲しいなぁ。



2006年03月06日(月)
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