映画のお話
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2008年01月06日(日) パヒューム

中々映画館に行けなくて、DVDばかりになってしまう昨今。
しかしそのDVDでさえ中々観れないという悲しい日々…と、大袈裟かな。


この「パヒューム」を観たきっかけはTULIPの財津さんがパーソナリティをやっているラジオの中で言ってたのを聞いて、観たんだけど。
なんでも今まで観た映画の中で5本の指に入るとか?それは凄い!と思った私。
だって財津さんって今年、還暦のお歳だからその中での5本の指に入ると言ったらそうとうでしょう?と思った訳。

気合を入れて観ました。

良くできている映画だとは思うけど、好みかと言えば…うぅーん?な映画だった。臭覚にもの凄く敏感なんてものではなくて、秀でている男性の一生を描いているのだれど。

生まれた場所が凄い。
魚を売っている母親が魚の上で産み落とす、そしてその赤ちゃんを殺そうとする…。
食べて行けない、育てられない環境だから母親はその手段を取ったのだろうけど、母親は絞首刑になる。
この辺りまでのシーンは20分ほどあるのだけど、目をそむけたくなるようなシーンが延々と続く。怖いのではなく、ご飯は食べれないと思う。
と、言ってもDVDを観ながら何かを食べるって?ない事はない?お菓子とかならあるかな、でもご飯はない…よね。

魚の上で産み落とされた赤ちゃんは施設に行き、過酷な環境の中生きて自分の臭覚の鋭さに気がついていくのだけれど。
私も臭覚には結構自身がある方なんだけど、あまり良い事ってない事の方が多い。臭覚がなかったら味覚も分からないから、ない人からしたら贅沢な話ではあるようで。
しかし服のちょっとした匂いで喘息がある私は、ゼーゼーと出るのでこれは凄く困った事でもある。匂いで病院行きになるのだから、もう少し匂いに鈍感になりたいと思う時が多々ある。

パヒュームの主人公は嫌な匂いや苦手な匂いは全くなく、全ての匂いを自分の物にして行く。たどり着いたのが「パヒューム」を作るという事。

しかし彼にとっての最高の匂い…香りは人間の体臭であった事が彼にとっては最悪の事。
パヒュームは幾つもの香りが混ざって、1つの極上のものができる。そのハーモニーが、という所が財津さんの心に沁みたのではないだろうか。
バンドもパヒュームと似ていると思う。ドラム、ベース、ギター、キーボードという楽器もだけど声のハーモニーは難しい。TULIPのコーラスはとても綺麗。
喋る声は全く違うのに唄い出して声が重なるとなんとも言えない心地良い気持ちになる。


主人公の彼は究極のパヒュームを作る事になるけれど、それは絶対に許せない行為。でも、罪…重大な罪を犯してできたパヒュームは全ての人達の心を解放す。一時ではあるが…。
でも彼は人間には罰せられなかったけれど、神はきっと間違っているだろうと判断したのだろう。彼はパヒュームと共にこの世から消えてしまった。

映画の中で主人公が発する言葉は少ない。
少ないけれど十分に思いは伝わって来るのが彼の魅力なのだろう。
しかし次に彼が映画に出ていても私はきっと「パヒューム」の主人公だったとは決して思わないと思う。独特な演技は「パヒューム」の中だけであろうと思うから。

財津さんの人生において5本の指に入ると言ったのは、財津さんの好みやら何やらが詰め込まれた映画ではないだろうかと思う。
で、私は?
印象深い映画ではあるけれど、勧められるか?と言うと疑問…かな。

「パヒューム」の後、「トランスフォーマー」を観たのだけど。これは面白かった!また、明日にでもここに書ければ…。


あーる