月に舞う桜
前日|目次|翌日
ここ数年、子どもの頃に奪われた時間を取り戻すような生活をしている。 それでも、奪われた貴重な時間は絶対に取り戻せない。幼児期には幼児期にしかない、小学生時代には小学生時代にしかない時間がある。 時間を奪われなければあの頃に出来ていたはずのことは、もう絶対にできない。大人になってからでは取り戻せない。
なぜ、あんな小さな頃から、あんなにまで時間を奪われなければならなかったんだろう。 なぜ、あんな小さな頃から、毎日毎日、一日中頑張ることを強いられねばならなかったんだろう。 なぜ、あんな小さな頃に、自分にまったく責任のないことで、あんなにまで尊厳を踏みにじられ、怒り狂われ罵倒されなければならなかったのだろう。
なぜ、と問うても、納得のいく答えなんてあるはずもないけれど。
日々降り積もる怒りは、どこへ行くのだろう。 雪のようには溶けやしない。溜まっていく一方だ。 体内の花粉の量が許容量を超えたら花粉症を発症するというが、怒りの蓄積が許容量を超えたらどうなるのだろう。
|