月に舞う桜

前日目次翌日


2020年07月21日(火) 【本】村田沙耶香『授乳』

村田沙耶香『授乳』(講談社文庫)読了。

『コンビニ人間』と『生命式』で村田沙耶香の小説の世界観――生々しく、破壊的で、痛々しく、独特――に衝撃を受け、『地球星人』で完全にハマった。
次は何を読もうか迷ったあげく、出版順に読んでいくことにした。
そんなわけで、デビュー作の中編集。
収録されている三編の中では、『コイビト』が好きだった。

村田沙耶香の主人公は、皆、自分だけの閉じた世界を持っていて、現実を営みながらも、その閉じた世界に引きこもっている。彼女たち(彼ら)は“普通の世界”から見ると“常軌を逸し”ているように見えるけれど、私たちだって、多かれ少なかれ、自分だけの閉じた世界に引きこもっているのかもしれない。


桜井弓月 |TwitterFacebook


My追加

© 2005 Sakurai Yuzuki