母が、戦後の娼婦が置かれていた境遇について本で読み、「誰だって、親が死んだり、いろんな状況によってはそうなる可能性がある。自分だって、そうなっていた可能性がある。人ごととは思えない」と言う。それ自体は正しい認識だと思う。でも、それならなぜ子どもを生んだのかがさっぱり理解できない。人ごとではないとの思いは本を読んで初めて抱いたものではなく、昔からそう思っていたらしいなのに。本当に謎だ。謎すぎる。
© 2005 Sakurai Yuzuki