月に舞う桜

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2020年02月29日(土) マイノリティに対する”善良な”人の”寛容な心”

たぶん彼は”善良な”人なのだろう。

社会的マイノリティは、マジョリティが受け入れる/受け入れないを検討してもよい存在ではない。
社会的マイノリティの権利保障は、決してマジョリティの”寛容な心”に左右されるべきものではないし、マジョリティによる施しでもない。
でも、そういったことに思い至らず、あくまで善意で「寛容な心を持って受け入れていかなければいけない」などと言ってしまう”善良な”人は、結構いるのだろう。

そういう意味で、彼はまさに日本の象徴なのかもしれない。

ところで、社会的マイノリティは、マジョリティを寛容な心で受け入れるか否かなんて悠長なことを考えていたら、生きていけないのである。

なぜ自分がマイノリティに対して「寛容な心」「受け入れる」という言葉を平気で使えてしまうのか、よく考えてほしいものだ。


◆天皇陛下「多様性に対して寛容の心を」。在日外国人やLGBTに関する質問に答えた(2020.02.23 HUFFPOST)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e51ddb2c5b6b82aa654083c


桜井弓月 |TwitterFacebook


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