月に舞う桜
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どんなに楽しいことがあっても どんなに嬉しいことがあっても どんなに美味しいものを食べても どんなに素晴らしい音楽を聴いて、映画を観て、本を読んでも
悲しみは埋められないし、怒りの記憶は塗り替えられない。
埋められない悲しみの周囲に、楽しいことや嬉しいことや美味しいものや素晴らしい記憶が積み重なれば、悲しみは相対的に小さく見えるのだろうか。
そういうこともあるだろうけれど、悲しみが余計に際立つこともあるでしょう。光が強いほど影も……のように。
みんな、この世でどうやって絶望せずに生きているんだろう。 あるいは、絶望しながら、どうやってこの世で生きているんだろう。
謎。
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