月に舞う桜

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2019年03月16日(土) 「健康は義務ではないんです。権利です。」

シェアした記事は、日本の医療費をめぐるあれこれについて、医療経済学者の二木立氏にインタビューした全3回の最終回。

★健康は義務ではない 「予防医療」を医療費抑制の道具にするな(2019.1.27 BuzzFeed News)
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/ryuniki-3

「経産省が目指しているのは、インセンティブによる個人アプローチで、このままでは自己責任論が強まってしまう恐れがあります。健康は義務ではないんです。権利です。健康は義務だという考え方はナチズムと通じるものがあります。」
(記事より引用)

病気を予防したり健康寿命を延ばしたりするために個々人がいろいろと取り組むのは、健康でいることの権利の行使=個人の幸福の追求であって、国全体の医療費のために健康でいようとするわけではない。
権利の行使に報酬を与える(予防や健康にインセンティブを置く)と、途端に権利ではなく「健康のために努力する ”べき” 」という義務感が出てくるし、健康の度合いに優劣をつけることになる。

(記事では、予防医療の医療費抑制効果そのものにも疑問が呈されている。)

経産省が個人へのインセンティブ措置を進めようとしているのは、医療費削減のためでも、ましてや国民ひとりひとりの健康のためでもなく、予防医療や健康寿命にかかわる商売の利益追求のためなのではないかと思う。

そもそも、何でそんなに医療費を抑制・削減したいんだ?


桜井弓月 |TwitterFacebook


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