月に舞う桜
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3月3日に行った熊谷先生の講演会(ともいくクラブ25周年記念講演会)の備忘録を作ったので、興味のある方はどうぞ。 配布資料に走り書きしたメモと記憶をもとに作成したので、足りない部分や、うまくまとまっていない個所があると思いますが……。 私自身の意見や感想は盛り込まず、すべて熊谷先生がお話された内容です。
登壇者: 東大先端科学技術研究センター准教授・熊谷晋一郎先生(脳性麻痺の車椅子ユーザー)
テーマ: 「共に生きる」を考える 〜障害がある人もない人も依存しあえる社会を目指して〜
≪導入≫ ●「共に生きる」の対義語は「暴力」 ●30人の介助者と契約している ↓ 介助者の数を増やすことで、暴力を受けにくく、支配されにくくする。 =弱いまま、強くないままで強くなるシンプルな方法
・障害者1人に対する介助者の数が多いほど、暴力・支配を避けられる。 ・例えば障害者5人に対して介助者が1人だと、障害者の間で競争が起き、介助者に気に入られようとして顔色をうかがうことになる。
<1>障害とは何か? ●障害の医学モデル・・・障害者の内側に障害がある ●障害の社会モデル(1980年代から主流に)・・・障害者の外側に障害がある ・平均的ではないかもしれない、マイノリティかもしれないが、私の中にあるのは障害ではなくバリエーションの一つ ・社会は平均的な人(=多数派)に合わせてデザインされており、多数派(環境)と少数派の間に発生する相性の悪さ、摩擦が起きる ←これが「障害」
※「障がい」「障がい者」という表記を好んで使う人は、医学モデルの考え方なのでは? 外側にある障害をはっきりさせるために、きちんと「害」という字を使ってほしい。
●disabilityとimpairmentの違い(どちらも「障害」) ・disability=環境と少数派の間の摩擦としての障害 ・impairment=私の体の特徴としての障害
★障害の社会モデルの最終目標はdisabilityをなくすこと ・環境を少数者に近づける=バリアフリー ・少数者を環境に近づける=医療 ↓ バリアフリーと医療をどの割合でミックスさせるかが課題 個人と環境の可変性の限界を計算してミックスさせる=合理的配慮
※可変性の限界の例 ・個人:どんなに頑張っても歩けるようにならない ・環境:ストレッチャーも乗れるエレベーターをすべての建物に設置することは不可能
※歴史 権威主義:教授の言うことは正しい! ↓ エビデンス主義:統計を取って有効だと証明されたものが正しい ↓ 当事者運動
(続く)
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