月に舞う桜

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2018年03月05日(月) 講演会備忘録その1

3月3日に行った熊谷先生の講演会(ともいくクラブ25周年記念講演会)の備忘録を作ったので、興味のある方はどうぞ。
配布資料に走り書きしたメモと記憶をもとに作成したので、足りない部分や、うまくまとまっていない個所があると思いますが……。
私自身の意見や感想は盛り込まず、すべて熊谷先生がお話された内容です。

登壇者:
東大先端科学技術研究センター准教授・熊谷晋一郎先生(脳性麻痺の車椅子ユーザー)

テーマ:
「共に生きる」を考える
〜障害がある人もない人も依存しあえる社会を目指して〜


≪導入≫
●「共に生きる」の対義語は「暴力」
●30人の介助者と契約している
 ↓
介助者の数を増やすことで、暴力を受けにくく、支配されにくくする。
=弱いまま、強くないままで強くなるシンプルな方法

・障害者1人に対する介助者の数が多いほど、暴力・支配を避けられる。
・例えば障害者5人に対して介助者が1人だと、障害者の間で競争が起き、介助者に気に入られようとして顔色をうかがうことになる。

<1>障害とは何か?
●障害の医学モデル・・・障害者の内側に障害がある
●障害の社会モデル(1980年代から主流に)・・・障害者の外側に障害がある
・平均的ではないかもしれない、マイノリティかもしれないが、私の中にあるのは障害ではなくバリエーションの一つ
・社会は平均的な人(=多数派)に合わせてデザインされており、多数派(環境)と少数派の間に発生する相性の悪さ、摩擦が起きる ←これが「障害」

※「障がい」「障がい者」という表記を好んで使う人は、医学モデルの考え方なのでは?
外側にある障害をはっきりさせるために、きちんと「害」という字を使ってほしい。

●disabilityとimpairmentの違い(どちらも「障害」)
・disability=環境と少数派の間の摩擦としての障害
・impairment=私の体の特徴としての障害

★障害の社会モデルの最終目標はdisabilityをなくすこと
・環境を少数者に近づける=バリアフリー
・少数者を環境に近づける=医療
 ↓
バリアフリーと医療をどの割合でミックスさせるかが課題
個人と環境の可変性の限界を計算してミックスさせる=合理的配慮

※可変性の限界の例
・個人:どんなに頑張っても歩けるようにならない
・環境:ストレッチャーも乗れるエレベーターをすべての建物に設置することは不可能

※歴史
権威主義:教授の言うことは正しい!
 ↓
エビデンス主義:統計を取って有効だと証明されたものが正しい
 ↓
当事者運動

(続く)


桜井弓月 |TwitterFacebook


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