月に舞う桜

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2011年08月12日(金) 遠く、あまりに遠く

自由は、遠い。

これだけ科学技術と医学が進歩し、とりあえずは民主主義が確立され、生存権が保障されていようとも、それでもなお、自由ははるか遠い。


求めれば、それはさらに遠のき、代わりに黒い影を与えてよこす。

やっと手にしたと思って、離すまいと握りしめても、手を開いてみればそこには何もない。


何もないのは寂しかろうと、絶望がやって来る。


大きな岩よりも、小さな石ころ、あるいはほんの砂粒の方が、よほど絶望を引き寄せる。

辿り着いたと思えば、それは残酷な蜃気楼。
そして代わりに現れ立ち塞がるのが巨大な岩ならば、諦めもつくだろう。

けれど、足元にあるのはただの小石。

なぜ、進めないのだろう。

進めないのに、なぜ、中途半端な慈悲を与えられたのだろう。


「人間は自由という刑に処せられている」なんてのは、夢想家の戯言だ。
そんな刑に処してくれるなら、喜んで13階段を駆け上ろう。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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