月に舞う桜

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2010年08月08日(日) 性分

わりと好き勝手に言いたい放題やってると思う。
上司にだって、説教する。

だけど、私は内弁慶だから、誰に対しても積極的に話せるわけじゃない。
そんなに親しくない人たちや知り合ったばかりの人たちの中にいると、なかなか前に出て行くことができない。
例えば研修や勉強会なんかで、自分が口をはさむ機会をうかがっている間に話がどんどん進んで行って、気がつくと聞き役に回っていることが多い。
それは、性格の問題だけじゃなく、仕事のスキルや勉強会のテーマに関する知識が足りないせいで発言しづらくなっている、のかもしれないけれど、内弁慶もかなり影響していると思う。
だって、社会人になってからじゃなくて、ずっと昔からだもの。
それに、親しい人たちに対しても、「意見」は言えても肝心なときに「自分の要望」を言えないことがある。……これは、内弁慶って問題じゃないか。

頭の中に言いたいことがあるのに、うまく前に出て行けないとき、自分が嫌になる。損してるんじゃない? とも思う。
でも、生まれ持った性格は、なかなか直らない。仕方ないか、と諦めもある。いや、諦めたら成長が止まってしまう、なんてことは分かっているけれど、こんな性格に生れついた自分とうまく付き合っていくのも、大事なことだ。
なんて、逃げている。


それから、私は動作が遅くて、小さなことひとつひとつに人より時間がかかるので、先を見越して早めに行動するようにしている。
今日は通常業務のあとに勉強会で移動するから、次の休憩中にこれを片づけて、その次の休憩でこの資料を整理して……とか、本当に些細なことだけど。
人に迷惑をかけたくないから、と言うより「遅れる=できない奴」と思われたくないからだ。

でも、常に先を見越して行動に必要な時間を計算したり順序を考えたりしていると、ときどき疲れてしまう。
行き当たりばったりでもうまくやっていけてる人を見ると、羨ましくなる。
羨ましいだけなら良いけれど、それを通り越して腹が立ってしまうこともある。「なんでもっと、先のことを考えて行動しないの?」と。さすがに口には出さないけれど、心の中でプンスカしている。
行き当たりばったりだって、それで彼らが問題なく過ごせているなら、迷惑を被らない限り私がどうこう言うことじゃないのに。
(そもそも、行き当たりばったりに見えるだけで、本当は私以上に綿密に計算しているかもしれないのに)

うちの会社には車椅子ユーザーが何人もいるけれど、エレベーターは1台しかないから、全員がフロアを移動するには時間がかかる。
5時に電話受付業務が終わって5時半から研修がある場合、当然エレベーターの混み具合や移動時間を考えて、早めに席を離れる。そうしているところに、ほかの車椅子ユーザーから「え? 研修って5時半からじゃないの?」と悠長に言われたりすると、イラっとしてしまう。

もっとイラっとするのは、スケジュールがきちんと頭に入っていなかったり行き当たりばったりだったり、そのせいで集合に多少遅れたりしても、周囲からわりと許されてしまうことだ。
会社では、さすがに仕事なので注意されることもあるけれど、世の中では、そんなに先々を考えながら行動しなくても許されていることが多いような気がする。あくまでも私基準だけど。

で、こうやって書いてて思ったけど、「私はこんなに頑張ってるのに誰も気付いてくれない! 先を考えてない人たちがそれでも許されてるなんて、おかしい! どういうこと!?」って見当違いに憤慨しているイタイ奴なのだ、私は。

早め早めにって思うのは、障害があるから、っていうわけじゃない。
これも、持って生まれたそういう性格なのだ。
誰かに「もっと早くしなさい」って言われたわけでもないのに、そうしなきゃいけないと思ってしまう。それで、勝手に疲れてしまう。
早めに行動しても、終わるのが人より遅くなることもある。そうすると、さらに嫌になる。「結局ダメじゃん」と思って。

だけど、これも性分だから仕方ないのだ。自分はこういうものだと思って諦めないと。


仕方ないけど、この性分って疲れるのよね。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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