月に舞う桜

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2010年04月11日(日) 日々も桜も、慌ただしく去っていき

オペレーター業務のときは1日も1週間もすごく長く感じて、「まだ3時!?」「やっと水曜!?」と嘆きながら仕事していた。
でも、新人研修が始まったら、1週間があっと言う間だった。「え、もう金曜? もう1週間が終るの? え? え?」って感じなのだ。今の会社にいて、そんなふうに時間が過ぎていくこともあるなんて、びっくり。
明日からの1週間も、そうなのだろうか。
座学研修の講義、その合間に資料の準備やスケジュール調整。とにかく、日々慌ただしい。ちょこまか動くので、電動車椅子のバッテリーの消耗が早い。バッテリーの減り具合は、私の忙しさにほぼ比例する。
気力が充実しているからあまり実感がなかったけれど、体はやはり疲れていたらしい。昨日も今日も睡眠時間は11時間以上。昨日はお昼にカレーラーメンを食べたら胃腸がおかしくなり、昼寝を2時間ちょっと。疲れているときに刺激物を食べると、すぐ眠くなるかお腹を下す。昔からなのでいい加減学習しろよと思うけれど、いつも食べてから気づくのだ。

この1週間、まったくオペレーターとして電話に出ていない。
オペレーター業務を外れる時間が長くなるほど、勘は鈍っていく。そろそろ少しリハビリしないとやばいな。
応対業務の最前線にいる人間が新人のトレーナーになることで、生きた知識や情報を新人たちに直接伝えることができる。それが、私がトレーナーになったことの一番のメリットだと思っている。
でも、準備も含めて研修に携わる時間が増えれば増えるほど、オペレーターとしての鮮度は落ちていく。日々ブースで起きている事柄からは、自分がどんどん遠のいてしまう。そうすると、私がトレーナーでいることのメリットが少しずつ小さくなっていく。
それが、ジレンマ。
だから、自分のためだけじゃなく、新人のためにもリハビリしなくちゃね。

今日は朝からずっと、家のすぐ目の前で桜の花びらが風に舞って流れている。
咲いたものは、いつか散っていく。
春、花壇や道端に咲いた花を見ると、新しい出会いを想う。けれど、桜だけは、別れた人たちのことを想わせる。桜は散っていくときの存在感が大きいから、出会いよりも別れを連想させるんだろう。
桜吹雪を前に佇むときの寂しさは、人が去っていくのを止められず、見送ることしかできないでいるときに似ている。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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