月に舞う桜
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XJAPAN WORLD TOUR Live in TOKYO〜攻撃続行中〜 1日目 無敵な夜
東京ドーム2daysの1日目。そして、hideが飛び立って丸12年の日。 開場は40分遅れだったけど、開演はたったの20分遅れ。Xの場合は、20分なんて遅れたうちに入らないと思う。やればできるじゃないの!
セットリスト↓ THE LAST SONG Rusty Nail WEEK END 新曲 PATA solo HIDEの部屋〜CEREBRATION〜(HIDE、PATA、HEATH) ROSE OF PAIN アコースティックVer.(TOSHI、PATA、HEATH) Tears YOSHIKI & SUGIZO DAHLIA 紅 --アンコール1-- VIOLET UK DRUMS SOLO Without you --アンコール2-- I.V. X ENDLESS RAIN Say Anything(S.E.)
紫の照明に照らされる中、THE LAST SONGで始まった。Xのライブが始まると、いろんな思いが込み上げてきて、どうしても泣いてしまう。 今回はTHE LAST SONGは歌がなく、ピアノだけだった。 Rusty Nailは、香港のときみたいにピアノと歌だけのサビから始まった。TOSHIがサビを歌い上げるとステージにかかっていた幕が落ち、聞きなれたRusty Nail のイントロ。が、いつもよりイントロが長く、その間にメンバー紹介があった。SUGIZOが正式加入したことだし、メンバー紹介も新しいバージョンにしたのね。 HEATHコールが、いつものライブより何倍も大きく聞こえた。 ステージにはちゃんとHEATHがいて、もちろんHIDEもいる。この6人でのライブが本当に奇跡的なことだと思えて、叫ぶように歌いながら涙が流れた。 去年の復活ライブより音が悪い(割れている)ような気がして、それがちょっと難点。
WEEK ENDのあと、TOSHIが言った。 「今日は久しぶりのXのコンサートだ! それに加えて、今日は5月2日だぜー!」 皆でHIDEの名前を叫ぶ。私は自然と、ドームの天井を見上げた。空が見える会場だったら、もっと良かったのにな。
「お前たちにプレゼントだ!」ってことで、新曲を披露。 TOSHIがタイトルを叫んだと思うけど、聴き取れず。あとでネットで確認したら、「Jade」という曲らしい。 確か、ライブの前々日くらいまでYOSHIKIが詞を書き直していたって、YOSHIKI mobileにあったっけ。直前に出来上がった歌詞を覚えて歌いこなさなきゃいけないなんて、TOSHIくん大変だわ。相変わらずヴォーカル泣かせですな(笑)。 大部分が英語詞のため、なんて歌っているかほとんど分からなかったけど、曲は激しさを基調としつつも後半は美しさもあり、かっこいい仕上がりだった。サビで「Beautiful〜」って何度か言ってたな。それが唯一、聴き取れた。 SUGIZOのギターが効いてて、新生Xの進化を思わせる曲だった。早く音源化されて、きれいな音で聴いてみたいものだ。
PATAのギターソロとHIDEの部屋のあと、TOSHIのソロ曲「大切なもの」が流れる中、TOSHI、PATA、HEATHが登場。 ここでも会場中からHEATHコール。私も、TOSHIよりHEATHを優先して叫んだ。私たちの想いがHEATHや他のメンバーに届き、伝わりますように。
TOSHI「みんな大丈夫かーっ! HEATHは? HEATHは大丈夫?」 応えるように、HEATHがベースと腕でXを作った。 その嬉しそうな表情を見たら、安堵と感謝と愛しさの塊が襲ってきて、またうるうるしてしまった。 TOSHIが「PATAも大丈夫?」と言ったあと、「HIDEちゃんも大丈夫?」と、ちょっと後ろを見上げながら当たり前のように言った。TOSHIが振り返ったステージの後方、やや下手側、そこからHIDEがひょっこり顔を出すんじゃないかと思った。
TOSHI「今日のコンサートのタイトルは、強行突破って言うんだ」 ええ、そうですね。いろいろ問題が発生してライブ開催が危ぶまれたあと、それでもやる!って言って「強行突破」という副題が追加されたっけ。 TOSHI「強行に、突破するんだぜ!! 強行突破……誰が考えたんだか……」 それからさっきの続きみたいに「YOSHIKIは大丈夫? SUGIZOも大丈夫?」と、ステージにいない二人に呼びかけたあと、 TOSHI「TOSHIも大丈夫?」 一同、TOSHIー!!と叫ぶ。 TOSHI「俺は大丈夫だぜーーーーっ!!!」 自分で訊いて、自分で答える……えーと、新手のノリ突っ込みでしょうか?(←いや、違うと思う)
3人でアコースティックバージョンのROSE OF PAINを披露。なんてナイスな選曲! 「青い夜/白い夜」のDVDを見て以来、アコースティックのROSE OF PAINを生で聴いてみたかったのだ。 途中で曲調が切り替わって速くなるとき、TOSHIとPATAが顔を見合わせてタイミングを計る表情が好き。声には出さないけど、二人とも「行く? 行くよ?」って言っているみたいな笑顔がかわいい。
3人と入れ違いでYOSHIKI登場。ピアノでTearsを弾くので、すかさず皆でサビを合唱。何を出されてもすぐ対応できるのは、私たちXファンのすごいところだと思う。 他のメンバーも出てきて、本格的にTearsが始まった。復活以来、この曲を頻繁にやってくれるようになったのが嬉しい。TOSHIもTearsが好きだって言ってたし。 バラードを合唱するときが一番、会場の一体感を感じられる。自分と皆の声に耳を澄ませていると、自分がいま、6人と5万人と同じ空間、同じ時間、同じ想いを共有しているんだという感動と幸福感が、心の底から湧き上がってくる。
そのあと、なんとSUGIZOがバイオリンを持って登場し、YOSHIKIのピアノとのコラボレーション。これはまさに新生X! SUGIZOのバイオリンは、美しい中にも、どこかギターっぽい力強さと激しさがあった。SUGIZOはセクシーで、優雅だ。 そして、二人が奏でたのはDAHLIAのフレーズ! TOSHI、PATA、HEATHも再び出てきて、TOSHIが「DAHLIA!!」と叫んだ。それまでのピアノとバイオリンの美しい音色が一転、本来の激しいDAHLIAが始まる。会場が沸き立った。なんてったって、復活して初めて演奏されるDAHLIAだもの。「ライブでやってほしい曲リクエスト」をきちんと反映してくれたのかな。 メンバー全員、初日と思えないくらいの気合いだった。いろいろなことがあった分、きっと。 そのままの勢いで、紅へ。何回聴いても、何十回聴いても、何百回聴いても、紅は最高! 私をXに引きずり込んだ曲だもの。
アンコールはVIOLET UKのショーで幕を開けた。初めに映画「GOEMON」の主題歌になっている「ROSA」が流れ、そのあとは某デザイナーとコラボしたダンス&ファッションショー。 確かにショー自体は面白い、と思う。モデルさんたちはきれいだし、衣装やメイクは独特の世界観がある。後半でSUGIZOが登場したけど、彼のパフォーマンスが醸し出す雰囲気もショーに合っている。 が、敢えて言わせて頂くなら、これを「XJAPANのライブ」でやらなくても良いのでは? YOSHIKIにはXとは別に表現したい世界がある、ということはよく分かる。でも、それはそれでまた別のところでやってよ、というのが正直な感想だ。
続いて、YOSHIKIのドラムソロ。これも生で見るのは初めてだ。 途中、ドラムセットを組んでいる台が上がって、アリーナ席へ向かって花道を移動してきた。 空中で一心にドラムを叩くYOSHIKI。ドラムの合間に、左側に備え付けてあるキーボードでForever Loveを弾いて見せた。 生で見るYOSHIKIのドラムソロは、やっぱりDVDで見るのとはわけが違った。一度見始めたら、目が離せないしわずかな身動きも取れなくなってしまう。腕の動きも高速で踏む足の動きも、表情も飛び散る汗も、破壊的で美しい。 あのひととき、たぶんYOSHIKIには何かが降りてきているんだと思う。まるで、神事を見ているみたいだった。
ドラムソロが終って、ステージにはスポットライトを浴びてTOSHIが登場、Without youを歌いだす。 YOSHIKIがドラムから下り、ピアノへ向かって花道を歩く。 今回のWithout youは、生ストリングス付きだった。
I.V.が始まるときのサビの繰り返しでは、TOSHIがお約束のように「YOSHIKIが歌ってないぜ〜!」と。 マイクを向けられて、花道を全速力で走って逃げまわるYOSHIKI。それを追いかけるTOSHI。二人の追いかけっこは微笑ましく、見ていて嬉しくなる。それにしても、YOSHIKIって足が速いのね。 I.V.が終わると、YOSHIKIがドラムスティックでXを作った。 ドーム側から「Xジャンプを誘導しない」という誓約書を書かされたなんて話が出ていたけれど、そんなの無視で当然のようにXをやってくれちゃう。 このとき、「無敵」と書かれた大きな旗を掲げて、男の人たちが何人も出てきた。TOSHIは「仲間たちが集まってくれたぜ! 無敵バンドだ〜〜〜!!」と言っていたけど、どこの誰だかさっぱり分からず……。 曲が始まれば、TOSHIがジャンプする。当然、みんなもXジャンプ。 もちろん、HIDEの「とべとべとべ〜〜〜」もあった。このHIDEの「とべとべ」ではいくつかの映像を同時に流すのだけど、今まで出てきたことがない古いライブ映像が入っていたような気がする。自粛するどころか、パワーアップしてるじゃないの!
Xが終って、今日のライブはこれで終わりだろうなと思った。たぶん、会場中がそういう雰囲気だった。 でも、ステージの上でYOSHIKIがTOSHIに何か言って、頷いたTOSHIが「本当は今日はこれで終わりなんだけど、YOSHIKIがもう一曲やるって言うんで……」と! TOSHIいわく「みんなでこの曲をHIDEに届けようぜ!」ってことで、ENDLESS RAIN。 こんなサプライズもあって、なんて夢みたいなライブなんだろう。そう思って、それからHIDEを想って、感極まってしまって途中で歌えなくなった。
カーテンコールでは、なんとHEATHが花道からアリーナ席に下りて、走りながらファンとハイタッチしていった。それが、HEATHの偽らざる思いの表れなんだろう。 それから、YOSHIKIとTOSHIがHEATHの両手を引いて、花道を駆けた。それもきっと、YOSHIKIとTOSHIの、HEATHやファンに対する偽らざる思いの表れだ。 彼らの本当に嬉しそうな笑顔を見ていたら、散々心配させられたことなんて吹っ飛んで、ただただ感謝の気持ちだけになる。たぶんこれからも心配させられるんだろうけれど、そんなことはどうだっていいのだ。取るに足りないことだ。
HIDE人形も出てきて、最後に6人がステージに並んで万歳。 初日から3時間以上、でもあっと言う間のライブだった。
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