月に舞う桜
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高校時代の友達と、ランチした。 彼女と会うのは本当に久しぶりで、友達の中では一番長いこと会っていなかったと思う。「何年ぶりだっけ?」と記憶をたどって、「確か、成人式で会った気がするよね」と導き出した答えが一致したから、8年ぶりか。 それだけ長いこと会っていなかったのに、mixiで頻繁に話しているからお互いの近況にわりと詳しくて、あまり久しぶりの感覚がなかった。
崎陽軒本店の中にあるイタリアンレストランで、ちょっと優雅にランチ。 このレストラン、コースメニューがどれもお洒落でおいしくて、一品が少量で食べやすいので気に入っている。
今日のメニュー(1日50食限定のコース)↓ ・アンティパスト3種盛り合わせ ・筍と南瓜のパルミジャーノチーズ焼き ・ジャガイモと菜の花のスープ ・帆立とアンコウのアーモンド風味焼き ・完熟有機トマトのスパゲッティ バジリコ風味 ・デザート3種盛り合わせ ・コーヒー
まずはスパークリングワインで乾杯(昼間だから1杯だけ、と言いながら)。 大学からいままでの大まかな歩み、仕事のこと、いまの生活環境、高校の同級生の誰々は結婚したらしい、などなどを話しながら、料理が進んだ。 アンティパストの盛り合わせは、イカと野菜のマリネ、ブロッコリーとカリフラワーを茹でたもの(いや、ソテー?)、オリーブオイルを垂らした生ハム(イチゴ添え)だった。 繰り返しになるけれど、少量ずつを数種類食べられるのが、良い。 2品目の筍と3品目の菜の花は、春を思わせてくれて嬉しい。どちらも好きな食材だし。 帆立とアンコウのアーモンド風味焼きは、一番気に入ったメニューだった。帆立とアンコウがアーモンドの香ばしさでおいしいのはもちろんだけど、下に敷いてあるキャベツが甘くやわらかくて美味だった。
最近、キャベツや白菜が一段と好きになった。ただ塩茹でしただけのものを、無性に食べたくなるときがある。 野菜って、子供の頃は「食べさせられてる感」があったけど、大人になって、その本当のおいしさに気づくことができたよね……これが今日、彼女と一致した意見の一つだ。 大人になって、ある程度食べるものを自分で選べるようになったから気づけたおいしさというのが、わりとたくさんあると思う。それまでも知っていたけれど、気づいていなかった味というものが。
パスタに使われていたトマトはさすが完熟なだけあって、濃厚な味がした。トマトとバジルだけのシンプルなパスタだけど、トマトが惜しげもなくかかっているので物足りなさがない。
今日のメニューはどれも、味付けも然ることながら、素材そのもののおいしさを堪能できた。イカ、南瓜、キャベツ、トマト……。 少し贅沢な食事をした帰りは、決まって「明日からしばらく粗食にしなくちゃ……」と思うのだけど、今回はそう言った後ろめたさを全く感じない。それはたぶん、単にカロリーと値段の高いものではなく、いいものを食べた満足感があるからだと思う。 それとも、肉がなかったから贅沢気分が薄いのか?
デザートの盛り合わせは、ぶどうシャーベット、パルミジャーノを生地に練り込んだクッキー(ラスク?)、何かのパンナコッタだった。あんまり私好みではなくて、残念。 私の席の後ろの方にシェフのいるカウンターがあって、そこに切り分ける前の、大きな長方形のショートケーキが乗っていた。あれが食べたかったなあ。
ランチのあとは、ぶらぶらお買い物。本屋と雑貨屋と成城石井を見て回った。 Afternoon Tea Livingは、空間そのものが相変わらず魅力的すぎる。できることなら、買い占めたい。
とっても楽しい一日だった。会わなかった時間がどんなに長くても、隔たりや違和感を感じなくて済む友達は、ありがたいものだ。 これも私と彼女の共通した意見なのだけど、私たちが通っていた高校は本当に平和な場所だった。平和でのびやかで、いい意味で放任されていた。 当時はそれなりに嫌なことも心痛めることもあったけれど、あの3年間、私は確かにあの場所に守られていたのだと思う。
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