これがあれば大丈夫、って、そう思えるものが私には確かにある。それを大事に大事に、思い出すんだ。忘れないように。幻にならないように。うまく息ができなくなったら、すべてを遮断して、全身全霊で思い浮かべる。細胞の一つひとつに染み渡って、酸素を送り込むように。
© 2005 Sakurai Yuzuki