嫌いな人といると、自分がどんどん嫌な人間になっていく。怖いのは、それが相手につられての「変化」じゃなく、自分の中に元々備わっていた醜さが引き出されただけなのかもしれないってことだ。傷つけたくない人のことまで、傷つけてしまう気がする。醜悪にまみれる前に、私を清らかに汚してくれるものがほしい。それは遠くの誰かかもしれないし、すぐ近くの腕かもしれないし、求めてやまない声かもしれない。
© 2005 Sakurai Yuzuki