月に舞う桜

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2008年01月27日(日) 思い出の品々の罠

Aを片付けたかった。
しまう場所は決めてあったが、そこには既にBがある。ちょうどBがごちゃごちゃしていることも気になっていたので、この機会に整理することにした。
Bの中で要らないものは捨て、必要なものはまとめて別の場所に移動する。
Bを移動させていると、今度は移動先に元からあったCが気になってくる。そこはBをしまうだけの十分なスペースがあるのでCを整理する必要はないのだが、どうしても気になって仕方がない。
それで、己の欲求の赴くまま、Cを引っ張り出してみる。そのうち、腰を落ち着けて中身を読み始めてしまう。大昔に友達とやり取りしていた交換日記だとか、高校時代に作ったクラス文集だとか、学校新聞に載せた自分のコラムだとか、思いつくまま書き殴った痛々しい詩だとか。
結局、当初の目的だったAはいっこうに片付かない……。
まったく、どうしたらいいんでしょうか。

ちなみに、引っ張り出したCの中には書きかけの小説や構想メモなんかもあった。ずいぶん前、たぶん10年くらい前に書いたものだと思う。
どうやら、その頃の私はXをモデルにしたバンドの小説を書こうとしていたらしい。Xがモデルなんだけれどボーカルは女性で、彼女の普段の恰好とステージ衣装のラフ画まで描いてある。
ノートを見ながら、「あぁ、そんなこともあったなぁ」と思い出に浸る私。

……はっ!
Aが全然片付いていない!!


桜井弓月 |TwitterFacebook


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