月に舞う桜

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2007年09月09日(日) その香り その身体 その全てで僕は生き返る(Mr.Children『口笛』)

ミスチル〜!!!

感激のあまり、冒頭から叫んでみた。
昨日、念願だったMr.Childrenのライヴに初めて行って来たのだ。

Mr.Children "HOME"TOUR 2007〜in the field〜
会場は日産スタジアム(旧・横浜国際総合競技場)。

新横浜で腹ごしらえをして、強風で髪をぐしゃぐしゃにしながら会場へ。
風は強くても、台風一過で天気は良好。そして、暑い。
暑いのも風が強いのも困りものだけれど、台風が過ぎ去ってくれて本当に良かった。桜井さんも台風をとても心配していたらしく、台風が行って無事にライヴできることが嬉しくてたまらなくて、昨日は朝6時半に起きてしまったそうな。で、7時だか7時半だかに家を出て、意味もなく会場をぐるっと一周して、また家に帰ったんだそうな。

セットリスト↓(ところどころ間違いがあるかもしれませんが)

1.彩り
2.名もなき詩
3.星になれたら
4.シーソーゲーム
5.CROSS ROAD
6.Tomorrow never knows
7.My Life
8.ひびき
9.もっと
10.HERO
11.Imagine(ジョン・レノン)
12.CENTER OF UNIVERSE
13.Dance Dance Dance
14.フェイク
15.Any
16.口笛
17.Sign
18.ポケットカスタネット
19.Worlds end
20.終わりなき旅
21.しるし

  アンコール

1.Wake me up
2.Innocent World
3.旅立ちの唄

(途中、MCが2,3回あり)

このセットリスト、さすが15周年のツアーだけある。
最新アルバム『HOME』の曲ばかりでないことを願っていた私は、『名もなき詩』や『Tomorrow never knows』をやってくれたのが本当に嬉しかった。私が中学から高校にかけての曲で、ミスチルを好きになったきっかけの曲でもあるから。
そして、アンコールで『Innocent World』とは!
友達も、「最近の曲をあまり知らないから、どうしようと思ってたけど、懐かしいのもたくさん聴けて良かった」と言ってくれた。
『youthful days』や『タガタメ』を聴けなかったのは残念だったけど。

『シーソーゲーム』のときと、あともう一回はどこだったか忘れてしまったけれど、花火が2回上がった。
そうそう、桜井さん、『シーソーゲーム』は歌詞を忘れまくりでしたが……でも、そういうのもライヴ! って感じでむしろ嬉しい。
最初のMCでは桜井さんが「照明を落とすと星が見えるよ」と言って、皆で空を見上げて星を探したり。
『口笛』は、スクリーンに歌詞を出してくれて、6万5千人で大合唱した。ただ聴くだけじゃなくて、そこに集まった人全員が一体になってライヴを作っていく。それは、何物にも変えがたい貴重な経験で、本物の感動だ。

『フェイク』が終わって、「それもまた真実〜」と『Any』に入っていく構成にはぐっと来た。
何が真実で何が嘘だか分からない世の中。もしかすると、フェイクだらけかもしれない世の中。でも、私にとっての「真実」は、そこら中に確固たるものとしてキラキラと存在している。
私が結構期待していて、希望が叶ったのが『Imagine』だ。私の大好きな曲。横浜アリーナで歌ったと聞いていたから、日産スタジアムでもやってくれることを願っていた。スクリーンには、英語と和訳の歌詞の両方が映し出されていた。きっと、Mr.Childrenにとっても大切なメッセージなんだろうな。

正直、ミスチルは曲が好きなだけであって、ビジュアル的に魅力を感じているわけじゃない。でも、今日の彼らは恰好良かった。本当に音楽を愛していて、伝えたい想いがあって、それを表現できるプロというのは、恰好いいんだ。
桜井さんが、心から嬉しそうに楽しそうに歌っているのが印象的だった。そして、ときには祈るように、ときには魂の叫びを吐き出すように。
スクリーンには、ブリキの人形やぜんまい仕掛けの鳥が小さな火を灯していく、というようなストーリー性のあるメッセージ映像や、青い地球や、世界中の子供たちや、ごく普通の人々のいろんな表情。
それから、『ポケットカスタネット』か『Worlds end』のときは、「日本の自殺者3万人以上」とか「イラク、アフガン兵士の何割が心の病」などの数字がスクリーンの下にどんどんテロップで流れていた。
希望だ、と思った。
どんなに悲惨な数字が流れていても、その奥から溢れてくるのは、「それでも」と「だからこそ」という希望の塊だ。

音楽と彼らからのメッセージが、容赦なく、がんがん入ってきて、『終わりなき旅』の時には何だかわけも分からず叫び出したい気持ちになり、思い出のある曲ということもあって、私の目からは涙が流れていた。
『終わりなき旅』で感動の頂点に達してしまった私は、肝心の『しるし』ではちょっとボーっとしてしまった。個人的には、『しるし』がライヴのメインと思って楽しみにしていたのに。


たっぷり3時間あったのに、あっと言う間だった。
ライヴ直後は半ば放心状態で、あまりいろんなことを考えられなかった。その分、一日経った今、あの濃密で強大な3時間の興奮と感動を反芻している。
ピンクのシャツで熱唱する桜井さんの表情が、脳みそのど真ん中に焼きついて離れないんだ。
あまりに余韻が大きくて、苦しいくらいだ。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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