月に舞う桜

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2007年08月16日(木) ばいばい

北海道旅行記で白い恋人パークをあれだけ絶賛したのに、なんてこったい。裏切られた気分だわ。
「ごまかす」ってのはさぁ、物を作って売る職業人としては最も下等なことだと思うんだけどねぇ。どうなんですかね、ほんと。あんなにおいしいのにね。自分たちが作ってるもの、食べたことないんですかね。「こんなにおいしいものを作ってるんだぞ」というプライドとプロ意識はないんだろうか。
お菓子って、必需品ではなくて贅沢品。どうしても買わなきゃいけないものじゃない。だからこそ、一度信用を失うとどんどん人が放れていって、崩れるのが速いのではないかと思う。でも、「白い恋人」は大丈夫なんじゃないかという気もする。「白い恋人」のブランド力ってすごいのぉ。
……なんてことを考えながら、北海道で買った缶入り「白い恋人」の残りをかじった。

昨日は友人2人と横浜をぶらぶらした。干物女を脱出するべく、久しぶりにネックレスと指輪をつけて。買ったときは中指用だった指輪、でも、今は薬指じゃないと入らない。ショーック!
まず、友達お勧めの自然食のお店でお昼ごはんを食べた。タンシチューにも惹かれたけれど、横浜までの道のりが猛烈な暑さとの戦いだったので、さっぱりしたくて「ハーブ鶏と揚げ出し豆腐のみぞれ煮定食」を選んだ。料理が出てきてびっくり。みぞれが、期待以上のてんこ盛りだった。んまい。付け合せの茄子も、んまい。
ご飯は、麦飯か黒米のどちらかを選ばなきゃいけなかった。私は白米以外にどうも苦手意識があって、内心どうしたものかと困っていた。が、しかし、麦飯を麦とろご飯にして食べたら、結構おいしかったのだ。やっぱり食わず嫌いはいかん(完全な食わず嫌いではないけど、食べたのは遠い昔のこと)。
私は麦とろご飯を嫌いじゃない、ということを友達のおかげで知ることができた。誰かと一緒にいろんなところに行ってみるものだ。
そのあと、横浜ベイクォーターやポルタを見て回って、もちろん、おやつに甘いものを食べることも忘れない。ティータイムは苺のムースケーキとライチジュース。
最近干物女と化していた私は特にこれといったネタがなく、ほとんど聞き役に回っていた。友達の話を聞くのは有意義だし、アドバイスにならないアドバイスをしたり突っ込みを入れたりするのも楽しい。でも、次に会うときは「聞いて聞いて!」と喋り倒せるよう日々精進せねば、とも思ったのだった。

夏休み用にDVDを何枚か借りてきたので、今日はその中から『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』を観た。
「日本シリーズ」と同じようなテンションなんだろう、ぶっさんが死ぬと言っても、それほどしんみりはしないだろうと思っていたけど、全然そんなことなくて予想外に泣けた。泣かされる覚悟ができていなかったので、余計に泣けた。
みんな、何て愛情深くて温かいんだろう。「それじゃあ、公平くんがかわいそうだよ」って言う美礼先生も、命日忘れちゃうお父さんも。
大切な人を亡くして生き残った人も、大切な人を残して逝かなきゃならない人も、両方切ない。でも、私たちはいつだって、誰だって、残された側の人間だ。残された私たちは、生きていかなきゃいけない。
「ばいばい」はつらい。悲しい。でも、生きていくためにこそ、ちゃんと「ばいばい」ってけじめが必要。
たぶんそれは、死別に関してだけじゃなく、人生のあらゆる分岐点で必要なことだ。

私は、悲しまなきゃいけないときに、きちんと思い切り悲しみたい。そして、誰が逝ったとしても、いつかは「いなくても、もう大丈夫だよ」と言えるような生き方をしたいと思う。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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