月に舞う桜
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大学時代の友達と、新丸ビルでフレンチを食べた。 待ち合わせはレストランの前。丸ビルには行ったことがあるけれど新丸ビルは初めてで、すぐ目の前に見えるのに、辿り着くのに思いのほか時間がかかってしまった。あると思っていたところに横断歩道がないんだもの。 忙しい中、友達がお店選びから予約まで全てやってくれ、私はただ行くだけ、食べるだけ。本当に助かった。 友達が雑誌で見つけたというお店は、フレンチと言っても気取ったところがなくカジュアルな雰囲気で、力を抜いて楽しくお喋りしながら食事を楽しめるところだった。かしこまったフレンチと言うより、地方の家庭料理をふるまうのがコンセプトみたいだ。
今日のメニュー↓ ・白ワイン ・前菜…サーモンのマリネ(サーモンはほんのちょっとだろうと思っていたら、お皿いっぱいに敷き詰められていて、びっくり) ・本日の魚料理(説明してくれたけど、何の魚だか聞き取れず。とりあえず、ポワレだったということしか分からん。もしかすると、鯛?) ・メイン…鴨もも肉のコンフィ、きのことじゃがいものソテー添え(鴨の表面のパリパリ感とじゃがいもがおいしい) ・デザート…クレームブリュレ、バニラアイス乗せ ・コーヒー
友達は、相変わらずかわいい。料理教室やジムに通い、取りたい資格もあって、とても充実しているようだった。 それに比べて私は、仕事以外にこれと言って取り組んでいることもなく、休日の外出もめっきり減って、家と職場の往復だけになってしまって行動範囲がものすごく狭い。 仕事以外に何もできないほど疲れているわけでも、時間がないわけでもない。これでいいとは思ってない。何もやりたくないわけでもない。でも、いろいろ考えてみても結局はそんなにやる気が起こらなくて、「ま、いいや」となる。 やばい。これはかなり危機的状況なんではないか? と、友達と話していて実感したのであった。これでは、今流行りの(?)干物女まっしぐらだわ。
友達の中では、私は資格の勉強をしていたり小説を書いていたりと、いつも何かしら打ち込んでいるイメージらしい。そんなふうに思ってくれているなんて、本当に光栄で嬉しかったけれど、そのイメージと現状のあまりのギャップに、少々へこんだ。 とどめは、「そう言えば、弓月ちゃん、今日はアクセサリー何もつけてないね」という言葉。 これにはショックを受けた。 私は、仕事のときは腕時計以外のアクセサリーをつけない。何だか気になってしまって、邪魔なのだ。それ自体は悪いことではないし、これからもそのスタイルは変えないと思う。 でも、「仕事では邪魔だから」というある種積極的な理由が、プライベートにまで染み込んでいくうち、いつの間にかただの無精に姿を変えていたのだ。 思い返せば、以前の私は確かに、プライベートで出掛けるときはネックレスなり指輪なりブレスレットなり、何かしらアクセサリーを身につけていた。 今は、「プライベートの時間は腕時計をつけない」という習慣だけ残ったせいで、装飾品が見事に皆無なのだ。腕時計の分、仕事のときの方がまだ飾り気があるというものだ。
徒歩通勤のせいで気が緩んではいけないと思って、洋服とメイクはきちんとしているつもりだ。 でも、やっぱりそれだけではだめなのだ。日々、いろんなものに興味を持って、手を出して、自分を磨いていかないと。 そう言えば、最近は物欲も減退している気がする。それもたぶん、やばい。 余計なものは要らないし、飾り気のない恰好が好きという女の人もいる。自分が満足しているなら、それはそれでいい。 でも、私は違う。本来の私は、洋服もバッグもほしいし、適度にアクセサリーをつけることが好きなのだ。通販カタログだって、しょっちゅう見ていたのだ。 そうだ。そうだった。
とりあえず、プライベートのときくらいはアクセサリーをつけてみよう。 で、熱中できるものを何か一つ。 今日の友達との話の中では、英会話が候補として挙がった。 英語を話せるようになりたいけど、英語の勉強は嫌い。そう言ったら、英会話に通ったら? と友達が勧めてくれた。彼女が前に通っていたという某大手英会話学校の名前を挙げて(NOVAじゃないです、念のため)、あそこは結構良かったよ、と。
さて、どうでしょう。 1年ぶりに(!)、絵手紙の道具でも引っ張り出すかなぁ。色塗りは好きなんだけど、輪郭を描くのが下手だし好きじゃない。誰か輪郭だけ描いてくれないだろうか。そのあと、じゃんじゃん色を塗るから。
……こんなこと言ってるからダメなのね。
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