月に舞う桜

前日目次翌日


2005年11月15日(火) こんなに重なるのも珍しい

寒い。
季節を一ヶ月先取りしたような寒さだ。
と言うわけで、フリースを引っ張り出してみる。

今日は面白いくらい電車運のない一日だった。
まずはA駅で、私を乗せるために駅員さんが操作していると、エスカレーターが故障した。
ここの駅はよくエスカレーターが故障する気がする。故障にぶち当たったのはこれが初めてだけど、しょっちゅう点検しているもの。
駅員さんが何回か復旧を試みたけれど、何をどうしてもエスカレーターは動かず、階段を使って4人がかりで車椅子を持ち上げてもらった。
そうしてやっと電車に乗れたと思ったら、なかなか発車しない。
車内アナウンスによれば、他の駅で線路に人が侵入したので救出しているとのこと。
電車が発車したのは10分後くらいだと思う。車掌さんは「お忙しいところ電車が遅れまして申し訳ございません」と何度も謝っていた。
その人がわざと線路に入ったのなら、電車の遅れは鉄道会社のせいではないから仕方ないよねぇ、と同情的に聞きつつ、気長に揺られる。
そして、無事B駅に到着。
が、しかし。
エレベーターが点検中だっためエスカレーターを使うことになったのだが、エレベーターが設置されていることの思わぬ落とし穴なのか、駅員さんがエスカレーターの操作方法をいまいち分かっていない…。
駅員さん2人で試行錯誤するも、結局操作できず、エレベーターの点検に来ていた業者さんに教えてもらって解決した。
寒いホームで待たされ、正直ちょっとイラっと来る私。

ここで不思議なことが一つ。
線路に人が入ってしまったという、ある意味不可抗力な事態での電車の遅れでは何度も謝るのに、エスカレーターの操作方法を知らないという職務怠慢とも言える事態では、なぜ「遅くなってすみません」の一言もないのか?
いや、別に謝ってほしいわけじゃないんだ。幸い、こっちもそれほど急いではなかったし。
でも、この二つの対応の間には、何か大きな隔たりがあるよね。態度が一貫してないよね?
客を安全かつ円滑に輸送するのが鉄道会社のサービスなら、車椅子対応のエスカレーターを車椅子利用者がスムーズに使えるようにすることも、当然サービスの一つだよね?
設備上の問題とか点検中で使えないとかラッシュ時で対応が遅くなるとか、そういうことならいざ知らず、駅員がエスカレーターの操作方法をよく知らないから客を待たせるというのは、線路に人が入って電車が遅れること以上に鉄道会社の責任だと思うけどなぁ。
そもそも、分からない者同士で試行錯誤して客を待たせるなら、エレベーターの業者さんが近くにいること分かってるんだから、普通は彼をすぐに呼びに行くよなぁ、と素朴な疑問を抱くのであった。

今に始まったことではないけれど、こういうところにものすごく矛盾を感じるのですよ。
一方では電車の遅れに過剰なほど敏感なのに、もう一方では客を待たせることに対する意識が非常に低い。

え、まさか、車椅子の客は待って当たり前とか思ってないですよね?
まさか、忙しいところ本当は迷惑なのにやってあげてるんだから文句言うな、とか思ってないですよね?
思ってるわけないですよ〜だって日本の鉄道網を背負って立つ天下の大手鉄道会社さんですもの、そんな、サービス業にあるまじき意識なわけないじゃない♪

いや、でも、真面目な話、とても気持ちのいい対応をして下さる駅員さんもたくさんいらっしゃいます。
ただ、そういう方は、上で述べたのとは違う鉄道会社の駅員さんが多いです。
つまり、会社によって根本的な姿勢が違うように見受けられるのです。
意識や態度の違いを見るにつけ、社員教育ってとても大切だし、ある意味とても怖いものだなあと思います。

話が脱線した。
そうして何となくモヤモヤした気分を抱えながらB駅の近くで用事を済ませ、帰るためにまた電車に乗った。
で、自宅最寄り駅に着いたとき、電車とホームの間に板を渡すためにホームで待ってくれていた駅員さんが、私が乗っているのとは違う車両の方へ走って行った…。
私の近くにいた親切そうな女性が「こっちですよ!」と駅員さんを呼びに行ってくれたので、無事に電車から降りることができたけれども。
こんなことではいちいち腹も立たないけれど、一日の間に電車関連でつまづくことがあまりに多かったので、「お前もか!」と突っ込みたくなる気持ちをぐっとこらえて苦笑した。

さてさて、今日のこの一連の出来事を、「電車運」という言葉で片付けてよいものか否か。
あなたなら、どっち?(ハンバーグとトンカツなら……悩むなぁ、難しい><)


桜井弓月 |TwitterFacebook


My追加

© 2005 Sakurai Yuzuki