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初めてキスをしたのが、桜の樹の下だった。
満開に近い桜の木々。 薄紅色の花が、桜の樹を彩っていた。
彼は忙しい時間の合間を縫って。 私はその日のためにお休みをとって、お弁当を持ってお花見をした。
ささやかなものだったけれど、朝大急ぎで作って。 彼が果物と飲み物を持ってきてくれて、 大きな桜の樹の下にシートを敷いてお花見。
あたりをのんびり歩く人たちや 時折聞こえる子供がはしゃぐ声や 薄紅色の花を見ながら、 私たちはたくさんのおしゃべりをした。
食後に少しだけ芝生の上に寝転んだ。 やっぱりたくさんのおしゃべりをした。
彼からのキスは一瞬だった。
それから 夕刻が迫り、そこを立たなくてはいけなくなるまで 私たちは寄り添ったまま、やっぱりいろんなことを話してた。
彼が持ってきた温かいコーヒーを飲みながら。
菜々
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