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2005年07月15日(金) 「桜の樹の下で」

初めてキスをしたのが、桜の樹の下だった。

満開に近い桜の木々。
薄紅色の花が、桜の樹を彩っていた。


彼は忙しい時間の合間を縫って。
私はその日のためにお休みをとって、お弁当を持ってお花見をした。

ささやかなものだったけれど、朝大急ぎで作って。
彼が果物と飲み物を持ってきてくれて、
大きな桜の樹の下にシートを敷いてお花見。


あたりをのんびり歩く人たちや
時折聞こえる子供がはしゃぐ声や
薄紅色の花を見ながら、
私たちはたくさんのおしゃべりをした。

食後に少しだけ芝生の上に寝転んだ。
やっぱりたくさんのおしゃべりをした。



彼からのキスは一瞬だった。



それから
夕刻が迫り、そこを立たなくてはいけなくなるまで
私たちは寄り添ったまま、やっぱりいろんなことを話してた。


彼が持ってきた温かいコーヒーを飲みながら。


菜々 |MAILPhoto


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