家族の元へ帰ってひと月。 うん。 早いものだ。
良いことはたくさんある。 けれど、今までひとりで気ままに暮らしていた分、窮屈なことは確かだ。 そんなことは最初から分かっていて。 分かっていて、家族の元へ帰ることを選択したのは自分自身。 初めは気を使いし過ぎたのか。 今は少し気分が落ち込んでいる。
元夫は『いきなり新しい生活に慣れようとしなくてもいいよ』と。 何度も言ってくれるのだけれど。 その気遣いが申し訳なくて、いたたまれない気持ちになっている。 もう少し肩の力を抜こう。 このままでは行き詰まる。
最終的に引っ越してくるのは今月末。 そうなったらもう帰る場所はない。 帰るのは家族のいるこの家だけなのだ。 何度も言い聞かせて、気持ちの折り合いをつける。
少しくらいダメな自分でもいいじゃない。 呪文のように繰り返す。
|