2006年01月24日(火)- ふらふらするな

山場を迎えました。



あきが、彼氏に勝手に電話をかけていた。
イタズラ電話。
ずいぶん前に、あたしの携帯から番号を盗み見て
いつか何かあったときに使うかもしれないと、メモリに入れといたそうで。



俺とあいつは半年間浮気してたんだよ、おまえ気づかなかったの?
俺以外にももう一人、あいつには浮気相手がいたんだよ。
あとはあいつから全部聞きなよ。


あきはこんな風に、彼氏に話した。





彼氏から電話がかかってきて、
『こんな電話かかってきたんだけど』と言われた。

あきだと信じたくなかったけど、
電話の内容、タイミング的に、あきしか考えられなかった。
ふるえが止まらなかった。

彼氏に浮気がバレそうになったからってこと以上に、
あのあきが、さっき“さよなら”をしたあきが
なんでこんなことしたのかっていう、恐怖。

彼氏は泣いていたかもしれない。
不安にさせた。
彼氏の愛が痛いくらいに伝わってきた。
友達に言われた、「長く付き合ってきた絆」を感じざるを得なかった。





彼氏と電話をきってすぐ、あきに電話した。

『・・・・・・あたしの彼氏に電話した?』

「・・・かかってきた?」

『何やってんの?』

「おまえが浮気に懲りてくれればいいと思って」

『何で当事者じゃない彼氏巻き込んでるの?
 あたしとあきの問題でしょ?』



ふるえがとまらない。
涙が出そう、だけど絶対に泣かない。
あたしは冷静に話さなきゃいけない。
そう思いながら深呼吸をして、話を続けた。




途中から、あきは泣いていた。

あきの本当の狙いはわかってた。



今回の電話であたしと彼氏がダメになって
自分のところに来てくれればそれで良かった、と。


あたしがそんな風に手に入って嬉しい?


あきのしたことであたしが傷ついて、彼氏と別れて、
そんな傷を、あきになめてもらうの?


それでも良かったと、あきは答えた。


どうしても欲しいものを手に入れるためなら、手段を選ばないんだ。





あきー。
あたしはますます分からなくなった。
どうしてそこまであたしを求めるの?
俺のところに来い、って。
そんなに求められたことないから、正直言ってとまどってる。
あきの気持ちが強すぎる。
きっと付き合ったら、もっと結びつきが強くなっちゃう。
お互い頑張らなきゃいけないことがあるのに、
今こんなことしてたら、何もかもうまくいかなくなる。
共倒れなんて、かっこわるいじゃない。





今回の電話で、あきを嫌いになれたらどれ程楽だったか。
あきも、こんな中途半端な女、好きになるからいけないんだよ。


あたしの存在が、あきを苦しめている。
目の前で崩れていくの。
あき自身も、こんな自分が信じられないって言ってるくらいに。
すごいね。


今は付き合えないと、結論を出せた。
あきはそれを受けて、あたしを忘れるために女を作るということに。


俺がフリーで、おまえもそのときフリーだったら付き合えればいいのにねって、
そんなことを言えるくらいになった。
あきと付き合いたい気持ちがゼロなわけじゃなかったんだよ。
こんなに自分を愛してくれる人、これから先、もういないと思った。
あたしは彼氏とこれからどうなるかは分からない。
あきとは半年間この関係を続けていたけれど
結びつきは決して弱くは無かったと思いたいよ。


今もこれからも、大切な人のひとり。


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