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B-SIDE DISC7 
杏子



 半覚醒の芳香

理事長の 睡眠のリズムは

少なくとも私からすれば ちょっと変わっていて



ほぼ 夜の22時前後に 

第一次の 睡魔の波が押し寄せ

 
独り 寝室のベッドに入った直後に
 
睡魔と闘う様子が手に取るように分かる


そんなメールを 私に向けて送信される。



それは 句読点なんてまるで無視 だったり


時には メールの予測変換機能の弊害か

まったく違う単語が紛れる


そんな メール。



(苦笑)



惚れた弱みと言うべきか

そんな時 私の胸には


たゆまない愛おしさが 溢れます。




眠りについた理事長が 

次に目を覚ますのが 深夜3時か4時を回った頃。


先の睡眠で 一日の必要な睡眠をほぼ取り終えている

そんな状況ですので

気力、体力ともに 十分に回復した状態。


けれども ベッドに横たわった体は

未だ半覚醒のまどろみに包まれています。



そんな中 送られてくるメールは

とても無防備で 






 

理事長の 2泊3日の沖縄出張の間

その、半覚醒の時間帯を


私たちは文字のやり取りの代わりに 

電話での肉声の会話に 切り替えることにしました。



互い 半覚醒のまま

思ったことを声で紡ぎ合い 無防備な心を晒す。



けれども皮肉なことに


互いの半覚醒の頭は
 
あまりに 夢の世界に寄りかかりすぎていたようで



翌朝になってみると 

その時間帯の、会話の雰囲気は思い出せるものの


私が普段 執拗に追求したがる

紡ぎ紡がれた言葉の

ディテールやニュアンスは 


すべて綺麗に削ぎ落とされてしまっているのです。




けれども その感覚は


真綿に染み入る精油のように

目覚めの朝の 芳しい香りの余韻となって


独りの体を やんわりと包むのです。











2009年01月12日(月)
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