しろにじ創作倉庫
波間に揺蕩うわたしの腕を暗い緑色の藻が掴むわたしは冷えた躯を波に預けゆらゆらと 流れ藻とともに漂い続ける島影はいくつも誘うのに波は意地悪く わたしをそこへ運んではくれないああ きっと 人生は波間でもがいている漂流物わたしに運命は決められない涙が 海に溶けてそれとわからなくなるようにわたしの躯も 緑の藻に同化していつか跡形もなく消えていくただ 人だった記憶の断片を波の間に残したまま