しろにじ創作倉庫



妖怪もってけの話

2005年09月30日(金)

“おいてけ堀”は「おいてけ〜おいてけ〜」と言う声が聞こえ、釣った魚が消えているそうですが、“妖怪もってけ”の場合は「持ってけ〜、持ってけ〜」を連発し、なぜか荷物が増えます。

この妖怪は、実家(特に地方)に帰省した際、そこから帰るときによく出ます。
いまは宅配便が普及し、荷物になるお土産や着替えなどは自宅へちゃちゃっと送ることができます。世の中便利になったもんだ。
カバンが軽くなったと喜んだのも束の間、ここで“妖怪もってけ”登場!
コイツは家族に乗り移り、「あれも持ってけ、これも持ってけ」と荷物を増やしていくのです。
お菓子の袋1コぐらいなら何とかなるのですが、“もってけ”のくれる荷物はハンパじゃありません。カバンに詰めても入りきらないので、結局は手提げ袋を用意して持ってく羽目に…。

帰りにお腹空いたら食べればと持たされる、お握り・茹でたトウモロコシ・枝豆・煎餅・まんじゅう等々。どれかひとつでいいっちゅーねん!
「向こうで買うと高いだろう」と、まとめ買いからお裾分けしてくれる乾物やらジュースやら。
故郷の味、手作りの品々。梅干し・ジャム・松前漬け等々。
それがにんにくの醤油漬けだったりする日には……。ラップで二重三重にくるみ、ビニール袋に入れても、「おいおい、におうだろ」。
最悪なのは酒、それも一升瓶。せめて、720mlのにしてくれ〜!+おつまみのサキイカまたは鮭トバ。
いや、日本酒は好きですよ。それに色々渡してくれる気持ち、ありがたいですよ、ありがたいんですけどね……。
この妖怪に魅入られるといくら固辞しても無駄で、最後には押し切られます。

あなたの身近にも“妖怪もってけ”はいませんか?

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