フィリップ・トルシエとわたし
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2005年05月09日(月) 真夏の誘惑




森本さんが言う。

「長谷川さん。わたし今年夏間に合いますかね〜。」

森本さんはワシの職場の事務だ。大変可愛いが

          
         丸い。


         相当。


常日頃思っていたのだが、あんなに可愛いのに勿体無い。

ぽっちゃり以上、デブ未満。

性格も明るい。馬鹿だが、まぁ。男から見て微笑ましいバカだ。


容姿に関して言うと、男は結構シビアだ。

太っているとまず、モテない。

森本さんは本当に可愛い。

痩せると絶対今の1万倍モテるだろう。

今でもモテてるのかも知れんが、間口は広いほうがよかろう。

21歳。女の生涯で最も美しい季節だ。勿体無い。

今モテずしていつモテる?

並み居る男共に言い寄られるのも女の幸せの一つだっつうのに。

惜しい。


その森本さんがワシに聞く。

「長谷川さん。わたし今年夏間に合いますかね〜。」

おお。こやつ。遂に開眼したか。

そうかー。ダイエットしてんだ。

「イエ。何にもしてませんヨ」

あ?

ダイエットせずに、何がこの夏間に合うと言うのだ?

「今年痩せたでしょ」

ミクロ単位でな。

で、一体何がこの夏間に合うと言うのだ?

水着とか着んの?

「イヤ。焼けるし。ただ、夏は薄着するから・・・。」

だから一体何がこの夏間に合うと言うのだ?

なにもやらずして、何をどう間に合わせるのだ?


おい。

何どら焼き食ってんだ?コラ。

ああ。このアマ質問の文法間違ってるよ。

バカだ。脊髄までバカだコイツ。

折角相談に乗ってやろうと思ったのに、もうたこ焼きまで食ってるよ。


彼女とは10才以上離れてる。

ワシは女性としての興味は持って無い。

でも別な理由があって、彼女のことが気がかりにはなっている。

天真爛漫な彼女に、ぜひ幸せになって欲しいと願っている。

イカン。これが保護者の心境か。

純粋にヤバイよ。俺。


でも、痩せると絶対イケてるのになとか思いながら彼女を眺める。

「長谷川さん食べます?」

落雁かよオイ。

どら焼きたこ焼き貴様で、俺は落雁か。

死ね。つうかもう、もっと食え。アホ。

だから寂しそうな顔すんなよ。

食うよ。

うわ。もさもさしてるよう。

「うちの仏壇とかに置いてあるんですが、おいしくないですよねーコレ」

だから俺か。

もう間に合わなくてもいいよこの野郎。

でも、間に合わせたほうがいいぞ。

間に合ったら水着見せてくれよな。

「いやらしー変態。セクハラ」


どうせ間に合わないくせに。




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