ずいずいずっころばし
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2005年11月19日(土) 人生と吟醸酒

服から飾りをとり
顔から化粧をとる
文から修飾語、美辞麗句、引用をとり
唇から追従をとる
削(そ)いで削いで
何もなくなる寸前まであらゆるものを削ぐ。
それは純米を磨いて、磨いて、研(と)いで研いで
一粒の米を研げるだけ研いで出来あがる極上の吟醸酒のように
自分の中からあらゆるものを削ぎ落として素になったとき
どんな自分がそこにいるだろうか?
極上の吟醸酒になれるか?
ただの細かくなった粒子にすぎないのか?
自分を磨くということはこの吟醸酒をつくる過程のようなものではないだろうか?
そしてまた磨くと言うことはあまたの傷をつけることでもある。
あらゆる飾りを捨てて素で輝ける人になれるといいな。
ちっぽけな傷に泣くこともない、磨く途であると考えるなら。
遠い道、朱夏から白秋へ、そしてやがて玄冬へと続く道。
人生は短くもあり長い旅でもある。


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