2011年10月04日(火) |
■岩手、宮城県の被災地の状況その1.被災した車の中に育っていたのもの… |
お休みの間に、岩手、宮城県の沿岸部の被災地に行ってきました。 知り合いに、少しばかりだけど支援物資(冬物衣類、暖房器具) を届けることと、何かできることがあるかどうかを聞くこと、 また、どうしても、行きたいところがあったからです。 沿岸部に詳しい岩手の友人が連れていってくれたのです。
実家がある岩手内陸部の被災地には、ときどき行き、 実家の手直しなどもしていたのですが、沿岸部は初めてでした。 その報告を今週はしていく予定です。 どうぞ、よろしくです。
行く日は、天気もよく、秋のすがすがしい日でした。 内陸部から、山をいくつか超えて、沿岸部に向かうのですが、 山の空気は澄み、木々も色づき初め気持ちいい日でした。
しかし、沿岸部に入ると、 風景は一変しました。 壊れたままになっている家や修理している家、 歩道に倒れたままになっている街灯、進入禁止など、 あちこちで見かけるようになってきたのです。
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さらに進むと、今度は、 こんな光景が目に入ってきました。 私が驚いて写真を撮ると、 友人は静かにこう言ったのです。
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「あのね、こんなのは、 別にすごくないから」
そして、友人の言った通り、 しばらく行くと、こんな光景が 広がっていたのです。
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それは、 果てしなく広がる車の墓場、 でした… 千台以上はあるでしょう。
呆然として、立ちすくみ見つめ、 友人に促されて、近づくと、 形が残っていない状態の車がほとんどで、 津波の力がどれほどだったのか、 私には、想像もつきませんでした。 あまりのすごさに…
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この車たちに、言葉もなく見ていると、 ふと、こんな車が目に入ってきました。 後部が大きくあいた車です。
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「あ、 何か、生えてる…」
そう思って近づくと、 こんなものが、 元気に生えていたのです。
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そう、ミニトマトです。 とても生き生きと、 育っていたのです。 この車の後部で…
なぜ、こんなところにトマト? もしかしたら、ここに、 買ったミニトマトが置いてあって、 そのときに津波にあい、 泥をかぶって、そこから、 このミニトマトの 芽がでたのかもしれない… すると、この車に乗っていたのは、 おそらくお母さんだね…
などと、思ったりして、 助かってくれているといいと、 心から思いました。
そう思いつつ、手を合わせ、 こんなところからでも命は、 育つんだ、と感動したのでした。
いいぞ、ミニトマト! 頑張れ、ミニトマト!
トマトを撮っていると、 友人が、山を指さしてこう言いました。
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「ね、あの木を見てみて。 前の方が赤くなっているよね? あの赤くなっている木々の辺りまでは、 海水が来たということだよ。 この辺りは沿岸部からは、 まだ相当離れているし平地だけど、 川から海水が逆そうしてきて、 被害にあったの」
そう教わり、周りの木々をぐるりと見てみると、 この辺りの、相当高いところまで、 海水が来たことがはっきりとわかるのでした。
そして、いよいよ沿岸部に近づくと、 絶句するような光景が広がっていたのです。 この続きは、明日書きますね。
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