まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2011年09月12日(月) ■《ふくしま作業員日誌》47歳男性の記事紹介

11日は、東日本大震災から半年ということで、
新聞、TVでいろいろと特集をやっていました。

それを見て、被災地の現状をあらためて知り、
復興は、進んでいるところもあるけれど、
まだまだだし、全然進んでいないところもあると知りました。

できれば秋は、落ち着いて生活できる環境になり、
少しでも実りある秋になり、なにより、
それぞれの街が、復興の進展がある秋に、
なることを心から祈ります。


今日は、復興特集の中から、
福島の原発作業員の思いを綴った新聞記事の紹介です。
とても、心に残ったので…。
ご覧になっている方もおられると思いますが、
こんな記事でした。





■東京新聞 9月6日掲載記事
(ここから引用)


《ふくしま作業員日誌》
47歳男性




作業場に向かう途中で、クレーン車に




「日本のために
 ありがとうございます」





って書いてある布が張ってあるのを見つけた。
中学一年生の女子生徒の名前も書いてあって、
感動してしまった。

文字や桜の花の絵が色あせていて、
心に響いた。
一緒に放射線を浴びているんだなって。




「日本のために」
って書いてあるのを読んで、
「あぁ、おれはそういう仕事を
 しているんだな」
と再認識した。





人の役に立ちたいと、福島第一原発で働こうと
決めた時の気持ちを思い出した。
毎日現場にいって、人間関係や仕事に追われていると、
その気持ちが薄れ、土木作業に行くのと変わらなくなる。
初めの頃の緊張も薄れてきた。
そんなときに、あの布を見て、こんなふうに
思ってくれるんだと感激した。




これは頑張らないといけない。
もう一仕事頑張ろうかと、
一緒にいた同僚と話した。





通りかかるたびに、楽しみに見ていたのに、
数日前に無くなっていた。
車に跡だけが残っていて寂しかった。




書いてくれた子に、
原発でぼくら闘ってますよ、
深く感動したよと、
伝えられたらなぁ…




(構成/片山夏子)(ここまで引用)





また、この方は、8月19日の日誌に、
こんなことを書かれていました。


■東京新聞 8月19日掲載記事
(ここから引用)


《ふくしま作業員日誌》47歳男性



今日は暑かった。
体力を使うけど、暑さには強い。
元気です。

防護服は風を通さないから、
移動中の車でエアコンが効いていても暑い。
汗が噴き出てきて、下着まで
びしゃびしゃになって気持ち悪い。
タオルで汗をぬぐいたいけど、
作業中に防護服を脱ぐと放射性物質が
入ってしまうからぬぐえない。



一番つらいのは顔。
マスクの中は熱がこもって汗で
水滴がいっぱいつき、
ポタポタ落ちてくる。
目に入ると、しみてとても痛い。
そんなときは下を向いて
目をぱちぱちして汗を落とす。

何かの拍子でマスクがずれたりすると、
わーっと真っ白に曇って前が見えなくなる。
もちろん現場でマスクを拭くことはできず、
作業にも支障が出るので、
班長とかの指示で作業から外れる。
その分、作業が遅れるから
班長も怒られるみたい。




だから、曇らないよう、
自分たちでもいろいろ工夫し始めた。
最初は眼鏡用のレンズクリーナーを
試したけど、あまり効果がなかった。
行き着いたのが、車の窓ガラスの
曇り止めスプレー。
泡をつけて白手袋でぬぐうとバッチリだ。
100円ショップで買える。(略)



いま、一日で一番ほっとする瞬間は、
福島第一を出てたばこを吸う時。
その一服のうまさといったら、
スキーに行って山の頂上で
新鮮な空気を吸っているような感じ。
帰ってきたんだ、
通常の人が入れない場所で
作業をしてきたんだっていう達成感がある。




今回の原発事故は
日本の運命を左右するもの。
生まれたからには
誰かの役に立ちたいという気持ちがある。
被ばくへの恐怖は、
今は実感しきれてないかもしれない。




息子は父親のことを
誇りに思ってくれているようだ。
これまでメールなんて
送ってこなかったのに
「仕事がんばって」
ってメールがきた。
うれしかった。
息子や将来の孫たちのため、
一日も早く事故を終わらせたい。



(ここまで引用)




さりげない記事だったけど、
心に響いてきた記事でした。



福島原発は、甚大な被害をもたらし、
未だに恐怖感をぬぐいされず、
収束の予測も立たず、
強い憤りをもっているけれど、
原発の現場で働いている方々は、
命をかけて、必死で、
頑張ってくれているとわかります。
本当にありがたいと思います。
現場の方々、日々毎日、
ありがとうございます。
日本のために、
ありがとうございます。




先日報道で、原発事故が発生した時に、
東京電力上層部は、
「全員引き上げを指示した」
という報道がなされましたが、
とんでもないことだと思います。
なにを考えていたのでしょうか。




しかし、その時にも、
原発所長を初め、
現場の方々が、
「それはできない。
 もう少しがんばれる。
 ここを離れるわけにはいかない」
と言い、原発にとどまり、
作業を続行したということでした。





いまさらながら、
日本は現場力で成り立っている、
一人一人の個人のがんばりで、
こうして事故対応が進んでいる、
日本の現場力はすごい、
地元力はすごい、
と思いました。





そして、原発で働く人だけでなく、
今、被災地でがんばっている方々
すべての方に、




「日本のために
 ありがとうございます」





と、心から思いました。

これから、いまから、
また、はじまりますね。
微力ではあるけれど、
自分にできることをしていこうと、
あらためて決意しました。
やれること、やっていきます、
私も、日本のために。





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